弱さの享受
生きている者の日常は苦悩に満ちている
死んでいる者の日常は退屈そのものだ
生きている者にゆるい時間が流れていたとしても
生き続けるためには苦難を乗り越えなければいけない
その苦難は人間がつくりだしたものか
神から与えられたものか
死んでいる者が棲まう世界があるとして
そこに棲まう者たちに畏れは何もないのか
此岸には何一つとして同じでない変化が
試練を次々と生み育て生きている者を襲う
生きている者は儚い生命しか持ち合わせていない
それ自体が生まれながらに持ち得る試練だ
死んでいる者は生きている者には推し量れない
退屈な日常が永遠と続いている
苦悩もなければ喜びもないに違いない
悠久の流れの中で退屈さをまっとうできない
生きている者は弱い 死んでいる者も弱い
比較できるものではないけれど
悠久の退屈さには耐えられない者は生きて然るべき
思慮もなく死を選ぶこと勿れ
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