あのひとを思う
あのひとのことを思うとき
私はとても幸せな気持ちになる
秋の風が入る誰もいない部屋で
誰も通らない通学路の傍で
寄せる波が静かな海の側で
みんなが寝静まった月夜の窓辺で
いつだってあのひとのことを思うとき
私は幸せな気分に包まれる
あのひとの気持ちがどこにいようと
あのひとが何を考えていようと
あのひとに何が起ころうと
私の心はあのひとにとらわれている
今すぐ会えないことより
溢れるばかりの思いが幸せだから
切なさに押しつぶされることよりも
あのひとを大切に思うことを選びたい
耳をすませば
あのひとの鼓動さえ聴こえそうな夜
触れる距離にいないあのひとに向かって
右手を伸ばしてみる
夢のような一瞬が消えてしまわないように
長い夢なら醒めてしまわないように
この時間をつなぎとめるように
いつでも私が取り出せるように
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