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麦の秋近し

薫風が野山や田畑に吹く頃、
麦畑は金色の穂波にゆれる。
ついこの間まで青々としていた麦穂が
いつの間にか金色に染まっている。
麦の刈入れが間近だと教えてくれている。

穀物はほとんどが秋に実りを迎えるが、
麦だけは初夏が刈り入れ時になる。
「秋」には穀物が実る、収穫の意味を
持っているが、麦は収穫が初夏なので
「麦の秋」といって初夏の収穫をいう。

万緑の季節で麦畑だけは黄金色に染まる。
麦は梅雨入りの前に収穫をする。
実りを迎えた麦は梅雨の長雨に触れると
発芽をしてしまうので、その前に収穫する。
その時季が間近に迫っている。

実りの季節は一様ではない。
多くの穀物が秋に実りを迎えるが、
初夏に実りを迎える穀物もある。
人も同じ。一様の実りでなくても構わない。
一番相応しい季節に実りを迎えればいい。

季節を俯瞰してみればその意味がわかる。
自然はいつも生きる手本を示してくれている。
人間が社会的に生きると言うことは
自然から離れることではなく
自然に生きるということだ。


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