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本屋が消えた街

今日、隣町まで出かけたときに妻と話をしていたこと。
(妻は小さな公立図書館の館長をしている)

「街中から本屋が消えている…」
話はこういうことだ。街の中にあって、学校帰りに
ちょっと寄るような本屋がどんどんなくなっている。
本屋は郊外の幹線道路傍に大型化して移転している。

大型店を構えるのはいい。だけれども、
そのような本屋に行くにはクルマで出かけるしかない。
もちろん自転車で行けなくはないが、かなりの距離だ。
そうなるとクルマに乗らない人は行けない。
行こうとしてもかなりのモチベーションが必要になる。

学校帰りにふらっと寄って、新刊本を見たり、
立ち読みするような気楽さがなくなるのだ。
郊外の大型店では心理的ハードルが高くなる。
これでは小中高生には本と馴染むこの気楽さが必要なのに
それがなくなるのは影響が大きくないかな。

公立図書館はあるものの、蔵書が減らされる中で、
新刊書が入る余地は非常に小さい。
図書館にかける予算の問題だけでなく、物理的に縮小され
本自体が置けない状況が続いている。
教育の街を謳い、生涯教育に力を入れているというには
もはやお題目を唱えているばかりいるように聞こえる。

都会とは比べようもない読書環境の劣化が始まっている
わけで、これもまた教育格差を生む一つの要因に
なっているのではないか。
そんなことを思わないではいられない日曜日だった。

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