白い秋桜

合図

過ぎてまわる季節のどこかに
セットされている追憶の扉

どこかのタイミングで
鍵をだれかが回す

気づく時もあれば
気づかず通り過ぎる時もある

積み重ねた記憶の片隅にある
胸を締め付ける季節

思い出は遠い時間列にある楔
合図とともにうずきだす

その痛みに少し
動揺しながら懐かしむぼくは

風に身をまかせたまま
空を仰ぎ見たまま

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