降りゆく
遠い山々の峰に雪ふりつむ
深い記憶の海に雪ふりゆく
生まれてこのかた
両眼で見てきた風景は
頭の中で交差して
記憶の海にずっと降りついできた
溶けて消える記憶もあれば
いつまでも漂いながら
いつか拾い上げてくれるのを
ただ待っている思いもある
漂流とともに薄れゆく
真実はどこに流れ着くのか
誰も望まない真実と
皆が喜ぶ虚構が入れ替わる
祭りごとが絶え間なく
世にもバカバカしくつくられる
この世の真実が形見になる前に
終末の岸辺に流れ着く前に
遠い山々の峰に雪ふりつむ
深い記憶の海に雪ふりゆく
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