置き忘れた鍵
涙が落ちる速さは
雨が降る速さと同じなのかな
実らなかった恋のままでいいから
もう一度君に会えるなら
悲しみが増してもいいから
もう一度君に会えることができるなら
胸の痛みが強くなってもいいから
もう一度君に触れることができるなら
果たせない願いを
忘れたわけじゃない
届けられなかった思いを
なくしたわけじゃない
閉じられた空の蓋を
開ける鍵はなくしてはいないはず
時間の片隅の
どこかに置き忘れただけだろう
重力が増した体が沈むベッドの上で
時間の片隅を手探りする
誰も入ってこられない場所で
置き忘れた鍵を探している
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