見出し画像

雪の音

積もりはじめた雪
はいいろの空から
かるい気持ちでおりてきて
しろい姿に変化する

後から後から おりてくる
ちいさな落下傘
つぎつぎと 重なり合うと
音が雪にしずんでいく

空は高くもなく 低くもなく
先はみえない
適度な水分で固まって
ひんやりしっとり おりてくる

ひらり ふあり 
くるくると 舞いおりる
チュチュのスカートは六角形
静かに音がしずんでいく


冬の一日は
かなしいものではありません
ただ静かな一日で
やおら眺める雪を待っている

雪の朝は
さびしいものではありません
春を足止めするいたずらも
どこかほっこりするもので

雪に沈んだ音は
溶けはじめると
ほうっとして
足の下で笑います

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?