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それでも

明けない夜はない
なんてよく言うけど
ほんとうかな

明けない夜は
あるかもしれない
夜が明けてもぼくが
いないかもしれない

そうだろう?

ぼくが眠っている間に
地球が壊れてしまうかも
しれないじゃないか

明日は今日よりずっといい
なんてこと言うけど
ほんとうかな

昨日と変わらない
かもしれないじゃないか
今日より悪くなっている
ことだってあるだろう

毎日毎日
こんな不安を抱えて
人間は生きている
地球も回っている

それでも
生きていけるのは
惰性なんだろうか
宿命なんだろうか

なんとかなると
能天気に構えているから
なんだろうか

つまるところ
人間はお調子者でお気楽さまだ

人間はたいして進化していない

二足歩行になっても
脳が発達しても
お調子者でお気楽さまだから
生きていける

真剣に生きるということは
そういうこと

悲観的に嘆きながら
閉じこもることでも
まぶたの重さに
慣れることでもない

どうしようもなくて足掻き
のたうちまわりながら
生きることでもない

晴れたら空を見上げ
ふわふわ浮かぶ雲を眺めること
足元の陽だまりに抱かれ
風の声を聞きながら眠ること

それでも
人間は生きている
地球も回っている


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