180227_春の威嚇

春隣

朝は冬らしい曇天で寒かったが、
昼過ぎから日差しがもどり、
ほっとするような暖かさを感じる。

風もなく日差しのやさしさだけが
降り注いでいる、そんな昼下がりだ。
倉庫の前の縁台や庭に面した縁側にできる
日だまりに猫のように丸くなって
うとうとする時間が心地よい。

このまま春になっていくかのように思う日。
まさに「春隣(はるどなり)」。
春が手元まできていると感じる。

春隣とは、春がやってきて隣りに座っている、
手で触れるところにいる、そんな状態をいう。

暦の上で、今は寒中。
明後日20日には二十四節気「大寒」を迎える。
一年で一番寒さが厳しくなる時分で、
春隣は本来はもう少し先、冬の終わりを
感じる時分にいうことなのだが、いいよね。

穏やか過ぎて怖いほどだけど、
こんな一日が冬のど真ん中にあってもいい。

生きていれば四季折々のように、厳しい
寒さにじっと耐えなければならない季もある。
そんな中でも、春隣のような時間を感じる
ことができる。きっとあるはずだ。

日だまりのような笑顔を見せてくれる人や
温かい言葉を寄せてくれる人、
手を差し伸べて、心を重ねてくれる人もいる。
見ようとしなければ何も見えない。
心が求めれば寄り添うこともできる。

ぼくには君が春隣だよ。と耳打ちしたい。
そう思う1日である。


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