朝は冬らしい曇天で寒かったが、
昼過ぎから日差しがもどり、
ほっとするような暖かさを感じる。
風もなく日差しのやさしさだけが
降り注いでいる、そんな昼下がりだ。
倉庫の前の縁台や庭に面した縁側にできる
日だまりに猫のように丸くなって
うとうとする時間が心地よい。
このまま春になっていくかのように思う日。
まさに「春隣(はるどなり)」。
春が手元まできていると感じる。
春隣とは、春がやってきて隣りに座っている、
手で触れるところにいる、そんな状態をいう。
暦の上で、今は寒中。
明後日20日には二十四節気「大寒」を迎える。
一年で一番寒さが厳しくなる時分で、
春隣は本来はもう少し先、冬の終わりを
感じる時分にいうことなのだが、いいよね。
穏やか過ぎて怖いほどだけど、
こんな一日が冬のど真ん中にあってもいい。
生きていれば四季折々のように、厳しい
寒さにじっと耐えなければならない季もある。
そんな中でも、春隣のような時間を感じる
ことができる。きっとあるはずだ。
日だまりのような笑顔を見せてくれる人や
温かい言葉を寄せてくれる人、
手を差し伸べて、心を重ねてくれる人もいる。
見ようとしなければ何も見えない。
心が求めれば寄り添うこともできる。
ぼくには君が春隣だよ。と耳打ちしたい。
そう思う1日である。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?