見出し画像

Pink Moon

2022.04.16~17は故郷にばびゅ~ん🚗💨
前日の夕方、突然、何としても、北口本宮に行きたくなる。
素通りするのがどうしても出来ないと、東口本宮にも行きたくなる。
なのに、あぁ……なんでだ?
9~15日までTシャツで過ごせるくらい暖かかったのに、
16・17日の故郷の気温を調べたら、なんと2月並みの寒さ…。
念のため、故郷の友人に確かめると
「ヒートテック着て来て下さい。上下、極暖で」とのこと。
「勿論、あったかいアウターも」と念押しされ、すっかり洗って仕舞った冬物を引っ張り出す。
……まぁ、富士吉田(北口)も須走(東口)も寒いもんな、それなりに準備しろって事なのかな。

なぜ急に北口と東口に行きたくなったのか。
それはもう、招喚された(召喚じゃないよ!)としか思えずで。
そうゆう事は儘ある、今に始まった事じゃない。
例えば去年の10月末は箱根神社に、今年の頭には三島大社に喚ばれた。
今回も同じ。
断る理由もないし、何よりどちらの宮にも久々にご挨拶できる歓びでワクワクだった。
通い慣れた道だけど、一応ナビをセット。
気温の低さが不安事項だけど、ウキウキする気持ちの方が勝る。
あとは予定時刻に起床し、予定時刻までに出発し、安全運転で故郷まで辿り着くこと。
走り慣れているからこそ、充分に気を付けて運転する。

往路の260kmは、毎回必ず掛川でトイレ休憩する。
高速運転の集中力が途切れないよう、トイレに行きたくなくても必ず休む。
だから往路は3時間弱掛かる、3時間を超えると順調ではないということになる。
この記事☟☟☟(人生のような1日)
https://note.com/cosmosmichael929/n/n09eb6e6c4424
の時はまさにイレギュラー、インター降り口で1時間20分の渋滞に巻き込まれることなど滅多にない。

この日は順調だった。
事故も大した渋滞もなく、所々で工事のための車線変更はあったけど、スムーズに流れていた。
新東名からジャンクションを経て旧東名に合流、降り口まではあと4km弱。
合流車線と1本目の走行車線は低速車とトラックが連なるのが常なので、一旦2本目の走行車線に出て、低速車とトラックの群れを追い越して降り口に向かうのも常。
周囲を目視してウインカーを出して車線変更、そのまま低速車とトラックの群れを追い越そうとしたら、突然!!ウインカーも出さずに斜め後ろから青いハッチバックが高速で幅寄せしてきた!!
「ぶつかる!!」そう思ったのでしっかりとハンドルを握った。
追い越し車線に逃げる時間もないほど急速で幅寄せされたので、それ以外できることがなかったから。

次の瞬間、フワッと愛車N-BOXが追い越し車線側に、車線の半分ほど移動した……勿論ハンドルは切ってない!指が白くなるほど握りしめたままだ。
ミラーで確認すると、幅寄せしてきた青いハッチバックがみるみる減速して後方に消えていく……。
あとで思ったのだけど、あおり運転で幅寄せした来たのかと思ったその車は、本当にうっかりと前方不注意しただけで、私の車のドライブレコーダーに自車が写ることを警戒して急激に減速して視界から逃れようとしたのかもしれない。
取り敢えず、ハンドルも切っていないのに車線の半分ほど横移動した理由も仕組みも分からないまま、2時間50分ほどで到着。
現金なもので、無事到着してしまうと、先程の恐怖はすっかり頭から消えていた。

友人の処に寄って土産を渡し、トイレを借り、再び愛車に乗りナビを起動。
まずは東口本宮へ。
あいにくの曇り空、霧も出てヒートテック極暖装備して正解、という寒さ。
ただ、空気は澄んで、呼吸するだけで整う静けさが身体を包む。
駐車場から入口へ回り、橋を渡って鳥居をくぐる。
神域の、ピンと張った響きが心地好く、何とも言い難い歓迎を受け取る。
参道をゆっくり歩く、楼門を抜け、本殿へと進む。
両脇に並ぶ杉並木のずっと上から、霧の冷気とともに霊気も降りてくる。
柏手の乾いた音が響き、ご嘉納頂けた歓びがふつふつと湧いてくる。
この度のお招きと、此処までの参道を御守頂いた礼を述べる。
社務所に寄って御朱印を頂き、ちょうど無料開放されていた資料館を拝観。
登山と富士講の歴史の資料を見せて頂く。
此方でももう一度トイレを借り、いよいよ北口本宮に向かう。

新東名から東富士五湖道路を経て中央道に向かう道が整備されようとしているが、此処は通り慣れたした道を走り、篭坂峠のヘアピンカーブを久々に味わう。
山中湖や富士吉田に向かうには、時間が掛かってもこちらの道を通りたいと思ってしまうのは、かつて免許取り立ての頃、慣らしに走った懐かしさの所為だろうか。
篭坂峠のピークを過ぎ、下りに転じる途端に明るくなり、青空に眩しい陽射しが降り注ぐ。
先程までの肌寒さが、心地よい気温に変わる。
土曜日なので、山中湖村から富士吉田に抜ける道は観光目的の車が多く、それでなくてもいつも混んでいた記憶を思い起こす。
有料道路はスイスイ進むかもしれないが、この道を通らないと北口本宮に伺う気がしない、だから混んでも、なかなか進まなくても気にかからない。
処で、何年ぶりだろう?……何故、急に伺いたくなったのだろう?
2月に、6~7年ぶりに逢った友人夫妻から富士五湖旅行に行った話を聞いたからか、それさえも、この度の布石だったのか……。

緩やかな渋滞はやがて解けて、スムーズに進み出すと間もなく北口本宮に到着、入り口近くの駐車場に1台分のスペース発見、有難く駐車する。
一礼して大鳥居をくぐる。
今生、初めて訪れたのは33年前、火祭りの日だった。
同行の知人と共に此処を歩いた時の事が鮮明に甦る。
参道の両脇の杉たちから「お帰り」「お帰り」と言葉が降ってきた。
……あれも不思議な体験だったなと思いながら、ゆっくり参道を上がる。
そう、北口本宮の参道は、本殿に向かって緩やかに上っている。
時折段になった個所もあり、33年前の事故の後遺症でリハビリ中の自分にはなかなか挑戦でもあった。……それも懐かしい。
今はよほど調子が悪い時でなければ健常者と同等に歩ける、この日もまずまずの調子だったので、脆弱な気管支を確認しつつ、ゆっくりと上がった。

空は真っ青、陽射しが眩い。
けれど、参道は両脇の杉並木に覆われて薄暗く感じる。
聖域を歩いているんだな、と強く感じていた。
橋を渡って朱の大鳥居をくぐり、階段を上がって楼門を抜ける。
目の前に神楽殿、そこを左に曲がって手水舎へ。
久々に触れる手水舎の水が心地好い、作法通りに清める。
振り返ると冨士太郎杉、反対側には冨士夫婦桧。
その奥に本殿。
「参りましたよ…」と、マスクの中で呟く。
北口本宮に喚ばれたのは間違いないが、此方の何方に喚ばれたのかは分からない。
故に、拝殿に上がって本殿へのご挨拶から始まり、恵毘壽社、登山口の祠。
そして250mほど上った先の大塚丘へ。
これまで何度も伺わせて頂いたのに、大塚丘にご挨拶するのは初めてだ。
祠の前に立ち、此処から富士山を遥拝した日本武尊を思った。
此処から北口本宮は始まり、今日まで続いている。
あぁ…、此方だ。此方に呼ばれたのだ、と感じた。
勿論、此方だけではないのだろうけれど、此方にご挨拶することを含めての、この度の参拝なのだろう、と。
その後、末社すべてを回り、摂社の諏訪神社へ。
参拝の際、いつもどこのご祭神にもするご挨拶は同じ。
『参道を御守頂いた御礼』だ。
だけどこの日は、無意識に少しだけ付け加えていた。
それは決して『お願い』ではなく、言うなれば『決意表明』だった。
北口本宮でのすべてのご挨拶に、そうさせて頂いた。
その度に、気持ちのいい音で柏手が響き、ご嘉納頂ける有難さが胸に湧く。

御朱印を、北口本宮・大塚丘・諏訪神社の分頂いた。
ご挨拶も済んだので、ゆったりと撮影をしながら境内を散策する。
梅も桜も咲いている、春をもう一度味わうご褒美を頂いたような気になる。
そして此処でもトイレを利用した。

のっけから何度もトイレの話が出てくるが、この日、私は出かける前に日課の筋トレをした後、SAVASバナナ味200mlを飲んだきり。
その後は水分を摂っていない。
長距離移動の時は水分控えめだ、今日は寒いのが前提だったから特に。
なのに、出発前に2回・掛川・友人のお店・東口本宮・北口本宮と、既に6回もトイレを利用している。
そう、確実に浄化がやって来ていた。
暫くぶりに伺った北口本宮に、大きくてきれいなトイレが出来ていたので有難く利用する。
実は水分だけでなく、今日口にしたのは今朝のSAVASバナナ味200mlのみ。
何か満たされているようで、空腹は感じなかった。
神楽殿の軒に干支が彫られていて、四方回ってシャッターを切る。
その脇にベンチがあって、一休みしようと腰を下ろした時、
「もう帰ってよろし」とお声が掛かった。
え……?もうですか?まだ15時回ったあたりですが?……と心で呟く。
「もうよろし」
はぁ、そうですか……。でも、また伺いますね!!……と心で返事をする。
「……ただ」
ちょっと含みのある感じだな、と思ったら。
「帰る前に『交通安全の御守』を持って帰りなさい」と!!!

えっ?!
って事は?!
あの、車線半分程愛車を横にずらして追突を免れのは……。
此方のお陰ですかっ?!?!?!
『交通安全の御守』って、どれ?
社務所を見回しても色んなのがありますけど?!
どれにすればいいんだろう……?と思っていたら、
「これを」
と、見ると光っている御守が……✨
いや、実際は光ってないのでしょうけど、その一個だけ(一種類じゃなくて、特定の一個だけ)紛れもなく光っていたのですよ✨
いやもう、信じてもらえなくても構わない!
だって光っていたのは『事実』だから。
同じ種類の御守の列に埋もれていたその一個を手に取って、
「此方を頂きます」と巫女さんに渡した。

神楽殿の前から本殿に向かって深々と一礼。
お招き頂き、本当に有難う御座居ました、と。
帰りも篭坂峠の方に回る。
近道せずに、山中湖の脇を走れるだけ走ってから上り。
前に大型のトラック、これに付き合いながら峠を上り、あのヘアピンカーブを曲がるのか……、ちょっと厄介かな?と思ったのだけど、ゆっくり帰りなさいという思し召しかもしれないので、後ろの車があおり気味でも、車間をとって安全運転を心掛ける。
あぁ、やはり私は独りで愛車と旅するのが好きだな、と改めて思った。

夜、友人と久々に食事をした。
その日の出来事を全部話すと「みかちゃんぽいねぇ…」と不思議がりもしない、慣れたのだそうだ。
此のご時世の話をする、コロナ・紛争・最近多い地震…。
そして私の仕事について、もう10年以上ずっと言われ続けている言葉で背を押してくれる、……有難い。
夜遅く、間もなく満月を迎えるPink Moonを共に見上げた。
「綺麗だねぇ……」
「ほんとにねぇ…」
「こうして同じ月を観て、同じように綺麗に思えるって、嬉しいよねぇ」
そう言う、姉とも慕う貴女が友人であることが、何より嬉しく有難かった。

これが今年のPink Moon前日の事だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?