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わたしのオススメSideM楽曲10選


#私のオススメSideM楽曲10選

 枯れ木も山の賑わいと信じて、こちらの素敵な企画に参加させていただきます。とても素晴らしい機会を打ち立ててくださり、誠にありがとうございます。


 最初に結論を書くと良いと教わったので結論を書きます。49Elementsにやられました。何もかも49Elementsのせいにしています。進化も深化も真価も詰まった個性豊かなCDシリーズ、送り出すに至った全てに限りない感謝を申し上げます。

 これを書く前に、企画タグツイートされている分は全部読んできました。曲への悲喜交々な思いもさることながら、自己紹介のパートも読んでいて非常に楽しかったです。ひとにはひとのSideM。
 この自己紹介の部分を「旨み」と表現する方がいらっしゃって、その凛と開き直るようなかっこよさと読み手の楽しみを見透かされていることに、ほっとひと笑いをいただきました。その素敵な前向きさに励まされたので、簡単に自己紹介をします。

 舞田類、水嶋咲、FRAME担当Pです。
 トータル2年ほど。
(ミリ:律子、まつり、亜利沙担当/デレは土屋亜子ちゃん、シャニは霧子ちゃんと摩美々と円香が気になっています)

 2021年7月頃からSideMを知り、好きになりました。もうあまり記憶がありませんが、下記の流れでコンテンツにのめり込んでいったような気がします。

サイスタ告知を何かで見かける。

アニメがあると聞き、軽い気持ちで見る。
いつの間にか全話好きになっていた。特にEpisode of Jupiter・3・5・6・8〜12話を何度も見ていた。

プレイリスト動画を見る。
どの曲も魅力的で、試聴動画を片っ端から聞き漁る。誇張なしに毎日ゴニバ04、オリピ04試聴とライブダイジェストを見ていた。

サイスタ開始が待ちきれず、気付けばモバを始めていた。その後、少しずつCDや円盤を揃えながらポプマス、サイスタと遊んで、現地参戦もするようになった。モバの劇中劇とDOSにめちゃくちゃにされ続け、劇中劇のことばかり考えるようになる。

通っているもの
ゲーム:モバ、ポプマス、サイスタ
円盤:2nd以降の全公演。視聴済
ライブ:6th全公演(配信)、オケコン配信、7th day1現地、day2配信、合同両日現地、PRS超常両日現地、どらせむファンコン①配信、8th両日現地

その他
 主に小説、短歌、感想文をしたためています。劇中劇が三度のご飯より好きです。叩くと存在しないある話を出します。フィジカルとインテリの合体事故みたいな精神構造をしています。


 本編

☆動画リンクは時間指定済。
 ぜひ読みながらお聞きください。

① Plus 1 Good Day!/FRAME

 天からの遣いFRAME。
 CDジャケット優しくて好き。

 6thとこのGROWING SIGN@L 03 A面をきっかけに、FRAME担当Pになることを決めました。
 この曲の何もかもが大好きです。
 爽やかで優しい朝を一緒に迎えてくれて、いってらっしゃいと背中を押してくれるFRAME。奇抜じゃないのに何度聞いても飽きないサウンドと、あったかくて頼もしい歌詞。こんなに明るいのに疎ましく思う瞬間が全然なくて、聞くたび元気を分けてもらっています。

 特に好きな歌詞は、Cメロの「広がっていく視界でいよう」です。身が竦んだり億劫だったりする「未知へ向かう行為」を、いつか自/他のためになれる「備え」・「今日また始まる君の挑戦」として肯定して応援している気がするからです。この歌詞は、半ば座右の銘みたいにわたしの屋台骨を担ってくれている言葉です。
 未知は朝ごはんのおかずに、噛みしめてエネルギーにしちゃおう! ってマインドは斬新で優しい。「生まれてきた瞬間から君の価値はまぶしい」と歌うことはしても、怖いなら行かなくていいとは絶対言わない、そういうなまやさしいわけではないFRAMEの激励がかっこよくて、嬉しくて、大好きです。
 7th day1、FRAMEがこの曲でトップバッターを務め上げていたこと、ずっと大切な思い出です。
 この曲が公開されてしばらくずっと先駆者様に便乗して、「7 in LIVEに期間限定でFRAME出演!」リアタイツイートをして遊んでいました。また出演のお話が出ることを楽しみにしています。


3DMVの卓越したカメラワーク、かっこいい!

 アイドルだけを映すんじゃなく「世界中みんな同じなんだ」で遠景になるの、世界中に届けたくて歌ってる人たちにも寄り添ってくれてるみたいで嬉しかったです。一面の緑色ペンラも優しくて好き。


② Smiling Platter!/Café Parade


 試聴公開時は、カフェパレまた楽しそうなユニット曲だ、嬉しい! くらいにしか思っていなかったのですが、最近この曲を聴いては泣いています。今この瞬間を生きていることにきらきらの肯定をくれて、ひとの優しさに触れさせてくれるカフェパレがまぶしくてなりません。

 人目があってもなくても聞くたび涙が滲むのが2番Bメロ、神谷の「誰かの喜びにも人は寄り添って…笑える!」と、2番サビロールの「嬉しくてしかたない」です。
 神谷のところは、まっすぐ希望を確信しているような文字列に、実際「誰かの喜びに寄り添って笑える」ひとたちをたくさん見てきたであろう神谷だからこその説得力を感じて、心いっぱい頷きたくなります。あわよくば、その寄り添える側の「人」に自分も加われますようになんて思いながら、カフェパレの柱である神谷が神谷でよかったな……まぶし……といつも目を細めて泣いています。
 ロールの該当箇所については、嬉しそうに弾んだ「しっかったっない♪」が大好きで、児玉さんの表現力にうきうきしました。居合わせた喜びに浮かれるだけじゃなく、偶然出会った「だけ」の幸せに心からおめでとうを告げてくれるひとがいること、その行為と精神に溢れんばかりの喜びを覚える気持ち。それはとても大人で、かっこいい視点だなと思います。そしてこの喜びが、偶然居合わせたカフェ側にも「今日がパーティーみたい」と思わせるほどの特別な気持ちへ繋がっているのがわかって、さらに微笑ましいです。

 神谷のところで泣きそうになる理由はおそらくもう一つあって、あたかも自分まで肯定されているような気になっているからなんだと思います。そんなわけないので錯覚でいい。
 だけど「誰かの喜びに寄り添って笑えるひと」を素敵だな、優しいな、という気持ちが転じて、わたしもそうできたらいいな、と思ってしまう自分も否定しないでいてもらえた気がして、嬉しいから泣いているのかもしれません。いいことではないかもだけど、カフェパレに救われた人間がいます、ということだけは伝わってほしいです。

 自分を肯定された気がするという錯覚に関連した話ですが、この曲を聴いて嬉しかったのが「わたしも彼らの歌う世界の一員でいていいんだ」という第二の錯覚を覚えたことです。
 「日常のささやかなひとときも、誰かにとっては特別なワンシーンである」と言われればそりゃそうだと思うけれど、正直わたしには関係ない世界の話と聞き流している部分があったので、カフェパレの「お客様のワンシーンに立ち会う、彩るお手伝いをする」という本当に毎日ワンシーンを見届けているであろう立場から歌われて、はっとしました。
 わたしもこれまでいつかどこかで、もしくはこの先、そんなワンシーンに居合わせることがあるかもしれない。なけなしの頭で想像してみたら、それはなんだかとても嬉しいことのように思えました。わたしには関係ない事柄かもしれないのに、一緒にお祝いさせてもらえるだけで良いことをしたような錯覚に浸れる。喜んでもらえる。なんかいいかもしんない。
 明るさや幸せそうな雰囲気を、満たされている身には必要ないからとなんとなく遠ざけていたわたしにとって、この曲は「ひとりでは出会えなかった素敵なこと、良いこと」のあるところまで手を引いてくれたような曲です。悩みも苦しみもしてない自分にもこんな入ってきてくれるんだから、つらい気持ちのまま膝を抱えるひとにはどれほどカフェパレが優しい灯りに映るか、想像しかできませんがこの曲があるとないとでは違うのだと思います。
 もし自分がその場に居合わせなくても、世界には毎日そんなワンシーンが存在していて、当事者でもないのにこうやって胸を勝手に温かくしている人や、想像しているだけなのに世界を見つめる眼差しが優しくなってしまう人もいるかもしれない。そういうひとたちには、悪いことじゃないはずだから笑っていてね、と伝えたくなりました。カフェパレの曲は優しい気持ちを思い出させてくれる気がします。

 この曲の好きなところは、一緒にお祝いするという発想の素敵さだけを歌うのではなく、1番Aメロのように「特別でない日として今を過ごしている人にも目を向けてくれる」ところです。
 カフェで参考書を閉じた少年少女に、タイピングの止まったビジネスマン。どちらも聞く限りではあまり順調そうではない様子。もしかしたら行き詰まってさえいるかも。そんなひとたちも、何でもない日なんてなくて今日を特別と思えるきっかけとして「見ず知らずの記念日」に居合わせる。その思ってもみなさに対する驚きと喜びが「見ず知らずの記念日」という言葉にぎゅっと詰まっている気がして、1番Aメロで歌われる視点がとても好きです。
 この温かな視点は2番Aメロでも歌われていて、カフェ側の「プレートの上に描いた名前や日付はいつも教えてくれるんだ 大切なことを」という言葉で、カフェのひとたちも毎日全部想像を行き渡らせてみんなに優しくできているわけではなくて、何度も気付いているからなんだとわかるのも好きです。
 カフェパレは素敵なアイドルで善良ですごいひとたちだけど、そんなひとたちでも毎日の気付きや学びがあって磨かれていく、というとても人間らしい部分を歌っていて、カフェパレに対してより親しみと愛おしさが増しました。
 カフェ側もお客様側も優しく見つめるこの歌が、世界中に届いてほしいです。


③ GIVE ME × FUSION/卯月巻緒


 弊端末における再生回数部門、優勝。
 7th day1、単純に曲が狂おしく好きなのと、ロールの新たな一面に対する鮮烈な驚きで消し炭にされて以来、ずっとこの曲に囚われたままです。ブラスの入ったポップスというか、ジャジーなサウンド、そうした要素のあるダンスミュージックに弱いので、音楽的好みの何もかもをこの曲に掻っ攫われました。アイドル曲をよく知らない身で恐縮ですが、この曲なんだかすごくアイドルっぽいと思いました。ミュージックステーションとか、何年も活動した上でのソングスとかで披露してる光景が目に浮かびます。デビュー10周年を迎えるCafé Parade、本日はこの方が渾身のソロ曲を引っ提げての登場です。49Elements 08 Café Paradeより、卯月巻緒さんで『GIVE ME × FUSION』。

 ワンコーラス歌い終えた後の“微笑”を見てください。


 この曲はCDとライブで味わいが異なるのも魅力的で、何周もCDをループ再生しているのに7th day1円盤を見るたびドキッとします。CD音源には、掠れて切ない歌声による色気が感じられ、ライブではクールに響かせるような歌声から大人びたロールを味わえます。特にライブ音源は、決して背伸びではなく成長して様々な表現を身につけた上での歌唱、という印象を受けました。児玉さんの、アイドルという存在を演じることへの熱意と魅せ方へのこだわりを心底尊敬しています。
 優しさもかっこよさもかわいさもとびきり素敵なひとつのケーキにして魅せられる、最高の王子様。ケーキを作りたいでなく「味わい尽くしたい! 素晴らしさを広めたい!」というロールの方向性。そんなロールの美点をふんだんに盛り込んだ一曲が、児玉さんの安定したダンスと歌唱で拝見できた現地の記憶、到底円盤では補いきれない喜びがありました。
 8thでは振りが一部変化しており、特にBメロで衣装の裾を手で払うところが、華麗なターンになっていたのも素敵でした。お衣装のマントがひらめいて、上から見たらきっと軌跡が綺麗なホールケーキになっていたと思います。回っているのでロールケーキかもしれません。現地で見とれたことしか覚えていないので早く外付け4枚組の記憶がほしいです。


④ Moon Shape/明鏡止水 /黒野玄武

 弊端末における再生回数部門、準優勝。
 1・2番サビ、ラスサビ直前で鳴っていたガラスを割る音が、ラスサビでは鳴らないの最高に好きです。自分の中で勝手に、1度目は施設を出るとき、2度目は語られていない「色々あった」(17歳で高1のワケ)の時期、3度目は朱雀に会ったとき、以降はアイドルを始めてぶち割る以外のやり方も覚えたからやっていない、などと考えていますが、神速P、玄武Pの方がどんな解釈なのか気になります。
 (2024.3.24追記:玄武が京都を出たワケは三国志イベで語られていましたー!追い出されてから、サイスタのオモイノウタイベで登場したあの男性に会ったのか?1年間どう過ごしていたのか気になる……)


 この曲の澄み渡ったピアノ、優しく支えるギター、颯爽としたテンポ、深町さんとすぐわかるのに玄武の青さみたいなものがじんじん感じられる不思議な歌声、全部好きです。
 凛々しいというには揺らぎがあって、決してか弱くはなくて、でも玄武の透徹な心根がガラス越しに少しだけ見える、みたいな。まっすぐズドンと刺さる、見えるというより、遠くの月を見上げるように玄武の心に束の間光が当たって、当たった部分を歌った曲、というイメージを抱きました。

 京都に一時住んでいたことがあるからか、この曲を聴いていると、玄武のいたところとは違うかもしれないのに京都の風景を思い浮かべてしまいます。極寒の夜、鴨川沿い。見上げた先には冴えた三日月。夜でも明るい四条の橋を歩いているかもしれないし、表通りから一本入った木屋町あたりで綺麗なだけじゃないものを見ているのかもしれない。河川敷に降りて楽しげな人たちを眺めているのかもしれない。嵐山の方かもしれない。街と人と月があるところ。
 いずれにせよ、この歌の中で玄武は一人の時間を過ごしているような気がしました。
 「年を重ねてガキではなくなったが、セロDまでしか突破できない17歳」という設定からしてモバの趣味を感じますが、そんな彼が雑踏の中でふと見上げた光はどんなかたちをしているのか。紛れそうになったとき思い浮かべるのは誰なのか。答えは必ず玄武の中にあって、単に寂しい曲なんかではない気がします。この曲からは寂しさより、冬のきんと身が引き締まる冷たさを感じました。なんとなく、どこかステージに臨むための曲なのかなと思っています。
 玄武の抱く仲間への深い親情と、静かに燃える闘志がひりひりと伝わってくる一曲です。
 どんどん新しい風を受け入れて磨かれていく、より良いもののためにたくさんの力がかけられていくSideMの楽曲、315です。
 オフボもいいので是非聴いてみてください。


⑤ アトモスフィア/握野英雄

 FRAME曲は1つに抑える予定だったのにどうしてもこの曲を外せませんでした。試聴公開から今までずっと大好きです。そもそも担当の曲は全部好きなのですが、この曲の隅々まで優しい歌声と、一緒に歩くようなリズムに一際心を惹かれました。

 この曲は、英雄の目指すものをソロ1曲目とは別のアプローチで示していながらも、歌われる優しさは今初めてじゃなくてずっと貫かれていた思いだとわかるから好きです。抱きしめてきた夢を折ることなく進み続けた結果生まれたのが、音楽(アイドル)という手段を使って、本来アイドルには難しい「一対一で寄り添う」ような曲であること、ただただ嘆息しました。
 ソロ1曲目ハートフルパトローラーが「悩んでるひとたちのところを巡って声をかけていく明るいヒーロー」だとしたら、アトモスフィアは「家に帰りたくなくて/居場所がないと思い詰めて一人でいるひとにそっと寄り添う夕暮れのヒーロー」に思えます。
 タイトルにもあるアトモスフィアが地球を包んで、地球上の人々を生かしているように、英雄は本当に世界中の「いろんな人に寄り添えるアイドルでありたい」(CONNECT WITH MUSIC!寄り添う気持ち 第16話より)と心から思っていて、そのために踏み出した一歩がこの曲なんだろうなと気が遠くなりました。
 なんて途方もなく、まぶしく、純粋な夢だろう。信じた数だけ叶ったらいいのに。一度も、救えてなどいなかったなんて思わない道のりであればいい。傷つかないでいてほしいくらい綺麗な志なのに、その夢の向かう先はきっと痛みなくして進めず、傷んだからといって進めるものでもなく、キリもなく、わかっているのは諦めた瞬間に孤独や不安に苛まれるひとへ手が届かなくなることくらい。そんな道を、自分の夢だからと胸を張って、決然と走っていくアイドル(ファンにとっては駆けてきてくれるアイドル)。担当して2年そこらの新参Pにはわけがわからないけれど、応援するくらいはできると信じて、これからもプロデューサーをやっていこうと思いました。
 ずっと最初から彼を支えてきたプロデューサーの方々にとっては、この曲はどう映ったのでしょう。

 それから8th day1での披露、本当にありがとうございました。熱のこもった優しい歌声、配信でのカメラ演出、ライトのやわらかな色合い、あんなに広いKアリーナにたった一人でセンターステージを歩きながら歌う姿、目線を合わせるように度々姿勢を低くしていたところ、切なさなのか苦しさなのか眉を寄せていた表情、うつくしい光景でした。
 特に1番Bメロ、センステ上手側の手前へ来る前の「自分じゃままならないパズル転がってる」でピースを探すように視線を彷徨わせていたところで胸が苦しくなりました。なくしてしまったと俯くひとがいたら一緒に探してくれるんだろうし、英雄にもこの「自分じゃままならないパズル」には身に覚えがあるのかもな、パズルというあたりがインテリだな、と思います。
 センターステージ下手側に置かれたベンチに夕方の公園を幻視して、このひとが寄り添えるのはこのひとときだけで、だけどそれが束の間でも人間を孤独から救っているといいと思いました。公園でぽつんと途方に暮れた顔をしているひとに寄り添って話を聞いて笑い合って、だけどその相手に何の責任も持たない彼はもどかしそうに手を振って、別れた後もどうかあのひとが少しでも、と幸いを願うんだろうなと切なくなりました。
 などと、全部今だから思えるだけで、ライブ当日は呆然としたまま記憶に焼きつけようと必死でした。なのにもう何一つ記憶がありません。最近、円盤の出来とは全く関係なく「円盤と現地の記憶は別物」と思うことが増えてきたので、こうして記憶喪失になってもまた懲りずに焼きつけようと無駄な足掻きをするのだと思います。なまものってそんなところも楽しいんじゃないかとうきうきしています。


⑥ ハイパービリーバー!!/伊瀬谷四季

 ただ曲が好きです。
 優しいけれど少し切ないイントロで(春が来た……イントロで桜が舞ってる……)などと呼吸が止まりました。
 ハイジョはSLを聞いたときから楽しい×切ないロックのイメージがあり、明るくて涙腺にくる曲が得意なのかなと思っていたので、よりにもよって四季のソロにそういう曲が来て膝を打ちました。隼人が書いている想定でも、プロの方に書いてもらった想定でも、どっちもいいなと思います。
 明るいけれど騒がしくはないのが、実は一人でたくさん考えがちな四季らしくて好きです。また、2番Aメロ「未完成な努力を不安定に重ねて」がとてもシビアな言葉選びなのも、自己評価の高くない四季……と呻いています。

 この曲は先輩たちとの日々を現在進行形で送っている歌なのかもしれないけれど、なぜか歌の視点が「先輩たち卒業後の四季」にも思えてきて、副業終わりの自宅で動画の画面を見てひたすら泣いていました。悲しいや寂しいだけじゃないのに涙が出る瞬間、最近はまぶしいからかなと思っています。
 この曲を聴いていると、四季の抱く尊敬、目指す場所に向かってがむしゃらに進む様子、そんなになるまで追いかける夢のまばゆさに、感情を全部持っていかれる。頑張ってと一言も言わない歌に、一生懸命頑張っているひとの姿に、励まされることがある。この曲もそうなのかなと自分の中で位置付けています。
 改めて、アイドルとして表に出ている(出せる)のが全てのほんの一部分でしかないことを痛感する一曲です。

 SideMソロ最長尺、楽しい時間が終わってほしくない四季じゃん……と勝手に重ねてしまってまた泣く。


⑦ BeSide EMotion/S.E.M

 わたしがSideMに入るきっかけを作ってくれたのはS.E.Mなので、一曲は入れたい、外せないと思ったとき、√EVOLUTIONと迷ったけれどこっちにしました。
 その理由をうまく説明できないのですが、どのユニットの49 Elementsも、ここまで歩んできた中で最新の、一番先に踏み出された一歩としてとても愛おしく思ったから、入れたくなったのかもしれません。これまでたくさん刻んできた彼らの軌跡が大切なのと同じくらい、懸命に踏みしめられた次の一歩、その輝きに魅了されているのだと思います。
 難しいことはわかりません。舞田のシリアスな歌い出しとロングトーンに試聴公開時から震え上がりました。ここに立っているワケだという「emotion」が、仲間、ファン、P、家族友人、そのひとに蓄積された思い、たくさん当てはまるものがあって、そのどれでもよくて、いい歌詞だなと感嘆しました。あと単純にサビ1行目のリズムが、ガクガク曲がりまくりながらも先へ伸びていく道って感じがして好きです。

 それから、松井さん作詞ということで、ファンコンのDramatic Anthemにも歌われていた「期待・希望の肯定」がこのBeSide EMotionにも含まれている気がして、わくわくします。
 コンテンツ的に大きな出来事があった時期、個人的にDramatic Anthemは船のマストだったので、S.E.M単体の新曲でも同じ精神が貫かれているのかなと邪推であっても思えたことに昂りました。(それくらい大切なメッセージなのかな)という期待を自分の中で膨らませて、悲しい悔しい以上にほっと笑えたので、期待の肯定ってこういうことなのかなと安堵しました。

 歌詞といえば、仕事に慣れなくてしんどいときもずっと支えてくれたミスターはざまのオリピソロLearning Messageで一番好きな歌詞「共に進もう 教えてほしい 共に解き明かそう」の精神が、このBeSide EMotionの1番サビとラスサビに「共に進もう」と入っていて、嬉しかったです。そういえばS.E.Mはいつも背中を突き飛ばして笑うんじゃなく「一緒に頑張ろう」と同じ方向を見て支えてくれていたな、と思い出しました。
 学生時代に出会いたいアイドルだったけど、素直にメッセージを受け取る良い生徒になれたかどうか自信がないので、出会わなくてよかったなと負け惜しみのように思います。何もかも手遅れになってからS.E.Mと会って、恵まれていたのに特に楽しい思い出もない過去には目を瞑ってのうのうと舞田の担当をしている反吐にも、進みたい道と幸せを自分で選んで、そのために挑むことが、どうすればいいかわからないけど何かできたらいいと彼らの背中を見て思いました。
 幸せは自分で決められるんだよ! ワオ!(ハワイ)

⑧ 流星PARADE/DRAMATIC STARS、S.E.M、Jupiter

 2番Aメロ「大変なコト一人じゃ 躊躇しがちで どうしてか一緒になら 挑んでしまえる」に救われました。
 未成年の頃は、音楽に「救われる」なんて称賛の誇張表現だと思っていましたが、そんなことはありませんでした。ある日突然、本当に「救われた」と思える瞬間が存在する。そう思い知ったきっかけの一つがこの曲です。
 なんなら最初にアニメで聞いた際は、良い曲だな……で終わっていたのに、ある日シャッフル再生で流し聞きしていたら何の前触れもなく涙が出て困惑しました。
 おそらく、みんなのための歌詞が、ふと自分にも当てはまったと思い込んだ瞬間の当惑、抑えきれない安堵と喜びに呑まれたのだと思います。
 わたしは新しく何かに挑戦するとき、心臓がばくばくして苦しくなるくらい緊張してしまうので、つい挑戦を躊躇しがちです。しかしSideMの音楽、特にこの曲がそばにいてくれると思ってこわごわ一歩を踏み出せたことが実際にありました。応援されている、のもう一歩先まで来て、助けに来てくれた曲です。
 そんなわたしの勝手な思い込みを抜きにしても、仲間やファンの存在を力にまた挑戦していけるんだ、という頼もしい思いを重過ぎない言葉で歌う2番Aメロ、315プロアイドルの不敵さやあったかさを感じられてお気に入りです。

 また、この曲を歌うどらせむと北斗は成人していて、冬馬と翔太は未成年という構成も絶妙だと思いました。
 もし大人だけが歌っていたら、もっと何度目の青春を応援するような内容になっていた気がします。しかし現役学生である冬馬と翔太が加わっていることで、大人と学生のどっちもついでじゃないと思えて好きです。学生の青春に大人が混ぜてもらうんじゃない、大人の何度目の青春に学生が付き合わされてるわけでもない。どっちも今しかない瞬間を精一杯楽しんで、それぞれがまた目指す場所へ向かって走っていく。今いるここは通過点だから止まらず進む。そんな彼らの姿がまばゆくてしかたありません。尊重を疎かにしないSideMの方向性がとてもまぶしく、じれったく、愛おしいです。
 いつか今日を思い出すときが来たら、それは流星のパレードを見るようなものになる。そんな、必ず過ぎて消える流星と、必ず終わる楽しいパレードをかけ合わせた歌詞が、まるで「終わるからといって無価値じゃない、過程に宿るものがある」と背中を押してくれるようで、聞くたび何度も泣いています。泣きながらいつも笑えているので、救われているなと強く思います。ひとに笑顔を届けられる歌を歌っているアイドル、なんてかっこいいんだ。

⑨ALL nOR NOTHING/神谷幸広、北村想楽、握野英雄、華村翔真、榊 夏来、岡村直央

 よく曲や作品の雰囲気にあてられます。
 この曲も、ギャンブルなんかに行く末を委ねてしまうろくでなしどもの気持ちを想像して、にやにやしながら聞いています。自宅じゃなきゃ不審者。あんな世界に身を置いている時点でどんな理由があろうと全員まともじゃない。なのに人情が挟まって悲劇が生まれたりややこしくなったりするの最高。捨てられないもの(弱さ)の多いやつから脱落していくの大好き。吹っ切れてないのに死んでない人物も、生きてる理由がただの運なの死者側にしてみれば何よりもほしかったものだろうにどうしようもなくて好き。こんな感じでベスゲがとても好きなので、主題歌を後から知ってテンアゲしました。
 イントロの笑えるくらい明るく楽しいペット、格式だけはお高げな彼らのカジノにぴったりのお上品なストリングス、最初にも中盤にも最後にもある「全部寄越せ」ってコーラスを一人残らず全員に歌わせるセンス、歌い出しの直前にどちゃどちゃ聞こえる気前の良さそうなチップの音、大好きです。
 Aメロのコーラス部分、重なるカードドローは勝負の多さを表し、レイズで増えていくチップと駆け引きでつく嘘の数をかけている歌詞構成、1番からもうおかしくて好きです。勝手に解釈しているだけなので違うかもしれない。
 この曲は各アイドルのパート分けが秀逸で、基本的に特定の二人でかけ合いをしながら進むのもかっこいいです。なぜその二人なのか、劇中の配役から考えを巡らせるのも楽しい。個人的なお気に入りは下記3箇所。

・1番Bメロ(翔真as華真 & 直央as羊天棋)
 →二人であてもなくゆらゆら踊るようなかけ合い、翔真さんの声に乗る艶と直央くんのお行儀良い人形みたいな声の差が好き。羊天棋に注がれていた情が行き違っていくみたいで。

・2番Bメロ(神谷as幸祥福 & 英雄as虎雄)
 →直接対決してはいないのにこの歌割りにした理由を知らないけれど好き。神谷as幸祥福の、死体からあたたかく広がる血だまりみたいな声で「与え合う悪意さえ善意へ生まれ変わる」っていけしゃあしゃあと歌ってるところに、英雄as虎雄の抑えきれないやんちゃさ(増刊号)で「奪い合うことと同じ」って追いかけて刺してんの高揚でぞくぞくするし、作詞の松井さんに足を向けて寝られません。どの方角かわからないのでマントルに足向けて眠ろうと思います(地球の裏側にいるケースをケアできない)。

・ラスサビ前(神谷as幸祥福、想楽as楽歌)
 →二人ともたっのしそうだなー!と聞いててうきうきします。「これほどに誰かの胸の奥 理解したいと願うこと」がギャンブルの他に(出会え)なかったひとたちの狂乱と享楽が啜れる楽曲、大変美味です。胸の奥、を歌うのが想楽なのも趣があって楽しいです。

 この曲も一度2021プロミで生披露されていて、振りやフォーメーション、演者さんの表情、間奏〜ラストまでの演出に、遅れて円盤で見ただけでも息を呑みました。死体どもがゾンビみたいに踊ってるラスサビ、大好きです。
 曲前の朗読劇については、ダイジェスト版のような切り取り方も面白かったけれど、フルでも聞いてみたかったな、どんなお芝居になっただろう、と戻らない過去に思いを馳せています。劇中劇、お芝居メインのイベント、いける!と上に思われてほしいです。
 スタンドマイクを握って「俺も混ぜてくれないか?」と口元に笑みさえ浮かべながら暗闇から現れたり、「ゲームは命を賭けなければ面白くない。……そうだろ?」とドス効かせてくる幸祥福役 神谷幸広役 狩野翔さん、最狂でした。
 ↓該当シーン、ダイジェストで少しだけ聞けます。

 余談ですが、このCDにしかないドラマパートでは「にこやかに物騒な作品あらすじを読んでくれる神谷」や「イタズラ好きの27歳に突き落とされて叫ぶ23歳」、「激辛ロシアン企画で残り2個ってなった時、最年少をトリにして自分が進み出る19歳」など、見どころがたくさんあるのでぜひお聞きください。

イベスト噛んでからだと味が増します。


⑩Amber Color Oasis/FRAME

 最後は担当ユニットの新曲!フルも出たしおすすめしたい!と脳直で選びました。
 いきなり8th現地で「新曲出します! FRAMEはバーテンダー役で劇中劇! キービジュこれと、あとこっちもちょっとだけ見せるね!」とタコ殴りにされてから1ヶ月後、試聴公開時期を予告されていたにもかかわらずへなへなに沈みました。とても良い曲をありがとうございます。

 FRAMEにおしゃれでやわらかなジャズ!かっこい〜!とイントロからしなしなにされたこの曲、GS03といい今回といい、FRAMEに切り込み隊長の一端を任されているようでとても嬉しかったです。今回はクラファと一緒に魁となれること、誠に光栄です(どの目線からものを言っているのか)。
 そういう、いくぞ!的タイミングで、憩いの場からお届けするジャズナンバーが生み出されたこと、なんだか「新しいステージへ向かうための充電、備えはしっかりしておこうぜ!」「その日の疲れはその日のうちに癒すのが一番だからな」「一緒にパワー蓄えて、また頑張りましょうね!」ってことなのかな……なんて一人で勝手に嬉しくなりました。いろんな人に寄り添って、笑顔を届けに行くFRAMEがこの世にいてくれて本当に良かったです。

 琥珀色した憩いの場、とタイトルを見て思い浮かぶのはバーの暖色照明やお酒の色。夕暮れより淡い色。琥珀色のある風景は、孤独と遠い気がしました。体温の色。毎日がっさがさの砂漠を歩いて不意に辿り着く場所がそんなやさしい色合いをしていたら、疲れた心もとろけそう。
 そうなると確かに、オアシスは音楽と似ているなと思いました。自分の時間にお気に入りの音楽を手繰り寄せてなんとか命を保つとき、音楽はオアシスで、ずっとはいられなくて、だけどその拠り所なしには補給できなくて砂漠を越えられない。必要不可欠な存在。依存という意味ではなく、誰かにとってそんな支えになれることをFRAMEは心から笑って喜びそうで、なんだかもうその健気な魂に笑うしかありません。オアシス側にも安らぐ居場所がちゃんとあってほしいな、と自分は癒されていながらぼんやり考えています。

 歌詞も、散りばめられた優しさに思わず瞑目します。1番、差し出すグラスは「よければ味わってみて」と強制せず、「ゆっくり語らってみて」と抱えた気持ちを話して楽になるならとじっくり寄り添う。そして2番、きっと間が空いてレコードの音だけが流れている時間もそっと黙って相手の心に耳を傾けている。グラスが空きそうならまた満たして、急かさない。そしてラスサビ、おそらく綻び出た「あなたらしい微笑み」を見つけても願うことは「そっと見守りたい」だけ。
 この、あったかいのに近過ぎない、孤独も感じない距離感で心に寄り添ってくれるFRAMEにもう何度も支えられています。そういうひとが他にもいるかもしれない、と思うと微笑ましくて、マスクの内側でつい笑ってしまいます。

 2番Aメロ信玄誠司「ウィスキーは寡黙だろう」の香り高い歌声、次の瞬間ぱあっと明るく照らされたみたいになる龍の「大丈夫」、グラスがきんと鳴るみたいに響く英雄の「心を聴きたいだけ」、そしてラスサビ前の信玄誠司→龍→誠司、龍→英雄→ユニゾンの流れが歌詞も相まってうつくしかったので、気になったらCDを買って聞いてほしいです。いつでもどこでもそばにいてくれるオアシスを手に入れよう!(石油王)

 アソプレ限定ストーリーでは演じる彼らの話を、CDのドラマパートでは劇中劇をやっていて、どちらから入っても差し支えのない仕組みになっています。どちらからでも、気になる方をぜひお聞きください。両方堪能した人間の所感は下記の通りです。

アソプレストのフルボイス
・細かなところまでお芝居が楽しい。
・話数が多くいっぱい聞ける。

CD
・他のどこにもない劇中劇パートが聞ける。
 (序盤、最終話のワンシーン。特に後者が面白かった)
・主題歌→ドラマ1→B面曲→ドラマ2→オフボのトラック順がとても良く、余韻に浸りながら楽しめる。
・オフボが聞ける!!!!!!
 ジャズ界でご活躍なさってる方々がモロに携わって生まれた曲なので、音の隅々までじっくり癒されます。
 自分のポンコツ耳は歌ありだと聞き取れない音ばかりなのでオフボに毎回感動しているのですが、一度オフボをキメておくとオンボーカルでもオフボの好きポイントが顔を覗かせてくれます。聞き取りに自信のない方は特におすすめです。ベース、かっこいいぜ……。


  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 以上、15000字くらい書き殴っていてびびりました。冗長で楽しめる要素があるかは疑問ですが、枯れ木も山の賑わいになっていましたら幸いです。泥大根を洗って出したつもりだけど、まだ泥あるかもしれない。
 この度はとっても嬉しいチャンスをありがとうございました。企画が盛り上がること、音楽を通して楽しい交流が行われることを切に願います。
 ここまで読んでくださった方がもしいらしたなら、長々と失礼しました。ありがとうございます。