あれこれの時

画像1 ジオパークの海岸線を歩いた。間近に隆起する巨岩の亀裂や風穴の数々に、今の衣を脱ぎ捨て岩穴に寝ぐらを探す自分の背中がよぎる。
画像2 どのように描いたのか、美しい円が浮かんで、陽を受けていた。岩場の小さな水たまりは、わたしがデコボコ岩を越えるたびに、白い眩しい明滅を繰り返す。海にせり出すギリギリまで行って戻ってみると、少しだけ光の色が強くなっていた。
画像3 ここにはいろいろ流れ着くだろうし、拾いたくもなるだろう。この日は思いの外、何もなかった。ちょっとだけふざけて、波打ち際に浦島太郎を投げ出してみたい。
画像4 風さえ冷たくなければ、ひっきりなしの波の動きは、ずっと見ていられる。砂浜に居ながら、波の音深くに潜り、他のすべてを飲み込む。目は閉じないで、その丸く潜水する自分を見てる。ほんの2週間くらい前のことだけれど、その時と今がおかしなつながりようで、わたしのおでこの裏に重なっている。ああ、変だけどなぜか納得してる。

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