あめあめ、ふれふれ。

雨降り朝の大移動。ブロック塀のあちこちの四角から、大きいの小さいの、おるわおるわ。

でんでんむし。蒸し蒸し、むしむしカタツムリ。目ヂカラ逆転。これは…。おっかさん！……坊ッ！とか、お？あーたダレ？とかとか、湿気て前がよく見えねぇ、なのか。

理由は分からぬまま、どうも合流するらしい。上でも横でも下でも、移動中。どこかへ向かってじんわりくんわり動いていく。止まってるヤツはいない。

あれ？いた。頭を振り振り、凝視。吟味。ガン見。まったく進まず。

まだ見ているのか。キミがこの後どうするのか見届けたいけれど、ニンゲンには約束の時間というのがあってな。後ろ髪を湿気で絡ませながら、渋々去ったのよ。夕方は、流石にいないよね、キミ。この糸もどうだろう。まぁ、この四角を睨んで、可能性のいくつかをじっくり脳内展開するよ。