見つめる

画像1 ここに身を置いているからこそ、与えられるものがある。小さなころ、とても大切で特別な宝物だったものは、大人になるにつれて、形を変えても自分のどこかに住まいする。その扱い方はひとそれぞれだ。大事にしまって時折眺めるものもあれば、それを糧に世の中を渡っていくものもあるだろう。
画像2 関わりのある人たちが、どのように自分の生命の営みを育んでいるのか。いつもそこに興味は尽きない。ここでそれぞれを生きている。このいのちに、一方的な価値観で優劣や美醜の飾り付けをするのは、もったいない。わかりやすい悪や見えやすい美しさ。知らずに刷り込まれたパターンへの反応。
画像3 眼を開きながら盲いていることも、耳をそばだててもただの一音も届かないこともある。自分の大切なことをどのように用いるのか。わたしを成り立たせている柱の一本一本を、どのように地の奥深くから真っ直ぐ天へと立てるのか。誰かやわたしに、忘れた光や音、匂い、味、柔らかさ、力強さを思い出させてくれる宝物。花を差し出すのか、唾を吐くのか、それぞれ自由だ。変わりなく打ち続ける心臓。揺るぎないこの今。そして、その手にするものの扱いで、露わになるわたしやあなた。その日々つらつらに、まったく興味の尽きようはない。

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