雨風通常運転。

画像1 おのおのがまま、揉みくちゃの風雨をしのいだ。もうお腹いっぱい。ジャブつく土にレタスやバジルがよれて伏している。うまい菜とやらが、むやみに背を伸ばし切り、バッタバッタ泥まぶれ。ダリアはまっすぐふやけずに立っていた。どれもひとつながりの営み。
画像2 ナスは、しおれて実がなる訳で、着実に次の準備を整えている。彼らも気まぐれ雨風にビクともしなかった。過剰な水分を受け止めたのか、受け流したのか、がっちり地面に食らいついている。
画像3 お、こんなところにもいるわけだ。そばにカニも。毎度、土まぶれで必死で草陰に隠れる。ぱかっと開いた腹から、淡い子ガニの白がわらわらとこぼれるのを、雨のアスファルトで追いかけ回した昔が懐かしい。孵化の時期っていつだったか。
画像4 一滴の水も見当たらない。でも変わらず鮮やか。さすが地衣類。自分たちにとってどこが快適か、この方々もよくわかっている。
画像5 小さな生き物たちの、どんな微かな活動も、声や息遣いのようなものも感じられたりしたら、どんなだろう。カンカン照りや凍てついた時なんか、どんなだろう。最近はものすごい早さで、地球に似た環境の星が次々と見つかっているらしい。熟して弾ける種のように、ひとはじっとしていられないだろう。それでも、そんな未来が当たり前になる前に、手の届きそうで届かない、気づけないでいる声たちと、世間話でもしてみたいもんだ。あの猿の蚤取りグルーミングみたくさ。

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