遠くのものを近くへ、そばに。

画像1 1週間前、最後に収穫したもの。どんなだか気になって割り開いたら、初々しい実が現れた。次のいのちのバトン。もう決められた理だとしても、暫く打たれた。
画像2 この田舎では、良い出来の野菜の種や苗をもらいっこする。甘みとか歯ごたえとか大きさとか実入り具合とか、地域の人の好みで残る野菜の傾向があぶり出される。。そんな中で、このエンドウはみそっかす。捨てられるNo.1。わたしが摘まなければ、もしかしたら来年はひょろり、草たちと押しくらまんじゅうしながらうまいこと風に揺れてたかもしれない。見た目は硬くて黒いけれど、匂いは普通。茹でたらどうだろう。
画像3 そして、食べた。…美味しいがな。スーパーでは、まず買わない姿。うちでできたということで、ほだされたというか。開けちゃいけないものを開けたような、薄っすらとした罪悪感の消化もあるか。もう豆蔓は、薄黄色と薄茶のもつれた紐。そのそばで長くて、ちょっと手触りに愛想のないでかいマメたちが、呑気にぶら下がっている。芽が出て、開いて、伸びて、咲いて枯れて、実がなって、ゴールはどこか。何故もなくひたすらに続く道程をおもうと、ふしぎが喉の奥についと広がった。

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