4月の日記から

そういえば
最近N嬢とスパや食事を共にした。随分久しぶりだった。

N嬢のキャリアは映画配給会社。帰国子女の英ペラでソニーピクチャーズ、パラマウント、20世紀フォックス、ディズニーとほぼ引抜きで渡ってきた。来日の主演俳優にはほとんど彼女が付き添う。某業界副社長との恋愛?もあったり、私より10も若い美人である。

彼女と会う前はいつも何か話題作を一本見てからと思ってるのだが最近はコロナ禍で映画館へも気軽に足を運べず。
結局再会後となってしまったが、
ようやく見た映画は彼女もご推薦の『ノマドランド』
主演のフランシス・マクドーマンドはファーゴ以来のファンである。

内容も満足した!

自分の若い頃、と言っても30代後半から40代くらいだが、定番のジュリア・ロバーツ、メグ・ライアン、ミシェル・ファイファー、サンドラ・ブロックなど追っかけて観てた
その頃のメイン男優は、ハリソン・フォード、リチャード・ギア、トム・ハンクス、ヒュー・グラント、ケビン・コスナーといったところか。
デップ、ブラピ、クルーニーなどは少しあとになる

この嗜好は入り口に過ぎなかった

その後、ハリウッド映画含めて作品を年間150〜200本と決め、15年弱に渡って見続けたことがある
根がミーハーなので、
男優については、当時いわゆるバイ・プレーヤーか悪役ばっかり好きになってた
例えば、ジョーカーのジャック・ニコルソン、レオンのゲーリー・オールドマン、ケープ・フィアー、ザ・ファンのデニーロ、ユージャルのケビン・スペイシー、コン・エアーのジョン・マルコビッチ、パトリオット・ゲームのショーン・ビーン
悪役ではないけど、スティーブ・ブシェミ、
ビリー・ボブ・ソーントン
死んだフィリップ・シーモア・ホフマン、

生涯通じて、
デニーロ
イーストウッド
エド・ハリス
アル・パチーノなどは
神さまだ

挙げればキリがない

でマクドーマンドのどこが凄いか?の話だが、
ノマドで見せた放尿と脱糞
素っ裸で水に浮かぶ62歳
なかなか日本の女優さんには見られない
こうした羞恥心も掻き捨てた演技はいわゆる女デニーロと呼ばれる女優たちを思い起こさせる

女デニーロとは
デニーロがレイジングブルで見せた撮影前の身体作りに由来する

ブリジット・ジョーンズの日記で見事に太ったレニーゼルヴェガーは代表的だ。

役柄に合わせて身体作りして撮影に入るのは俳優なら当たり前、と男優には多い。ド痩せしたフィラデルフィアのトム・ハンクスやダラスバイヤーズクラブのマコノヒーなど

身体作りばかりでなく、それまでの美人、アイドルキャラから脱した演技をした女優もそう呼びたい

特筆したいのは、
巡り会う時間たちのニコール・キッドマン(メイクアップ)と
ヴァージン・フライトのヘレナ・ボナム=カーターだ。
それまでヘレナはジェームス・アイボリーのお気に入りの女優(だったと思う)。英国貴族(本人もその血筋)のお嬢様役が多かった。
だから重度の筋萎縮症、車椅子の役にはかなり驚き、その変貌ぶりに感心した。今やアリスワンダーランドなど奇女役が多いが、おもえばファイト・クラブあたりから変わってきたような気がする。近年ではモンスターのシャーリーズ・セロンが壮絶だ

話をノマドに戻そう
N嬢は、ほとんどドキュメンタリー映画です。フランシスがやってるからなおさら!と言ってた
フランシスの個性とフランシス以外の役者はほぼ素人というリアリティ効果万全のキュスティングだが、やはり計画された脚本を、着実に意図したショットで繋いでる印象は拭えない。それでいいのだけど
白のチュニックドレスで佇む姿やブルーのスカートでちょこちょこ岩山を跳ねるフランシスは可愛かった。
最近の日本のキャンピングカー・ブームとはまったく別の世界
車に住む、移動する
アメリカ人特有の放浪癖
砂漠、過疎、荒涼とした風景
個を支える小さなコミュニティの存在まで、
自然も人の営みも、
すべてThis is America !
それを再認識できる映画であり、
もうひとつ大事な要素は、
この国の風土とDIY文化、
女は強し、
女も強くなきゃ生きていけない!
と訴えてる

こういうアメリカ映画から
私はいつも元気をもらってる

追記
私にとってのThis is America は、やはりバクダットカフェやテルマアンドルイーズである。がAmazonやスマホはまだない。でもその時代の女たちも、映像の中で強く意識高く輝いていたのは事実だ。


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