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ひとりごと英語をレベル分けしてみた①

「英語スピーキングも、英語多読でやさしいレベルの本から順に読んでいくようにレベル分けできないか?」。そんな仮説から生まれた学習書「英語スピーキング100本ノック」(著・光藤京子)。同書では、1人でもできる英語スピーキングのトレーニング法として定評のあるひとりごと英語を、英文の長さや時制別に4段階にレベル分けしました。ここでは、同書の中身を抜粋・再構成して紹介します。まずは、レベル 1の中身から。

現在形で表せる3つのこととは?

 Step 1では、主に日常の行動習慣に関するひとりごと英語を1文でつぶやきます。自分の日常の行動を英語で話せるスキルは、英語を話せるようになるための第一歩。このStep 1での達成目標は下記です。

・基本動詞や頻度を表す副詞を使って、 日々の行動習慣を1文で話せる
・be動詞や知覚動詞を使って、客観的な事実を1文で話せる
・助動詞や疑問文を使って、主観的な心の動きを1文で話せる
・朝起きてから寝るまでや週末の行動について、1文で簡単に話せる

 ところでStep 1で登場した英文はすべて1文というだけでなく、時制がす べて現在形という強固な縛りを課しました。英語多読のリーダーでも、レベル1の本はたいてい英文が現在形のみで書かれていますから。

 英語の現在形を使うと、①日常の習慣的な行動、②客観的な事実、③主観的な心の動きなどを表すことがで きます。本文で登場した例を順に見ていきましょう。

Step 1では現在形を使って、日常の行動習慣をつぶやく。
日→英の順で掲載されており、英語の瞬発力が鍛えられる。

基本動詞や頻度の副詞を使って、 自分の行動習慣を英語にしよう!

 第一に日常の行動習慣を表す例文としては、下記の例が挙げられます。

I always wake up around 7:00 AM. (いつも7時頃に目を覚ます)
I often pour soy sauce on the egg. (卵にはよく醤油をかける) 
Sometimes I want to eat sweet bread. (時々甘いパンが食べたくなる) 
I’m rarely late for work. (めったに会社には遅れない)
I never cut my hair short. (いままで髪を短くしたことがない)

 日常の行動を英語にすることができる基本動詞とともに、always(いつも) やrarely(めったに~しない)のような頻度の副詞を押さえておきましょう。 every three months or so(月3回程度)を使ってI come here every three months or so.(ここへは月3回くらい来る)のように言うこともできます。基本的な頻度の副詞を下記のようにまとめておきます。

always いつも、常に
sometimes 時々、たまに
usually 通常、たいてい
rarely ほとんど~ない、めったに~ない
often しばしば、よく
never 決して~ない

I を主語にして自己紹介したり、客観的な事実を描写してみよう!

 現在形はまた、客観的な事実を表す際にも使えます。これはIʼm...(私は ~だ)やI like...(私は~が好きだ)を使って自己紹介を述べたり、I以外を主語にして現在の状況を描写するのに便利です。Step 1で出てくる例は下記のようになります。

I’m a fast eater.  (私は食べるのが早い)
I like my eggs sunny side up. (卵料理では目玉焼きが好き)
I still look sleepy. (顔がまだ眠そうだ)
We work in the same department. (われわれは同じ部署で働いている) The meeting begins as scheduled. (会議は予定通り始まる)
The train is not as crowded as usual. (いつもほど電車は混んでいない)

 Iを主語にした自己紹介が言えるようになったら、Step 1の本文に出てきたようにHeやSheを主語にした他己紹介の文もつぶやいてみましょう。また上記のthe meeting やthe trainのように物を主語にした文が英語で話せるようになると、英語の描写力が一歩前進することでしょう。

疑問文や助動詞を使って、心の動きを表現してみよう!

 3つ目に現在形は、主観的な心の動きについて表すこともできます。これは自分の現在の心境を英語でつぶやくのに非常に便利です。Step 1に登場した例だと次のようになります。

Do I have my keys? (カギは持ったっけ?)
How about sneakers with a suit? (スーツにスニーカーはどうだろう?)  Let’s get out of bed! (さあ、起きるぞ!)
I hope I can sleep well tonight. (今夜はよく眠れるといいな) 
I wonder if my boss has any advice. (上司にアドバイスをもらおうかな)  I’m excited to play in the next game! (次の試合でプレイするのが楽しみ)
We may have to wait two weeks. (2週間は待つかもしれない)
I might have the flu. (インフルエンザかもしれない)
I should take my temperature. (熱を測らなくちゃ)
The beach must be so beautiful at sunset. (夕陽が沈む頃、海はさぞキレイだろう)

 自分の心境をつぶやくのに最も簡単な方法は、疑問文を使って心の声をつぶやくことやLetʼs...(~しよう)を用いて自分に呼びかけることです。

 またI hope...(~だといいな)、I wonder...(~しようかな)、Iʼm excited to...(~するのが楽しみだ)のような心の動きを表すのに便利な 基本動詞や表現を押さえておきましょう。

 さらにmayやshould、mustの ような助動詞は、動詞に義務や推量、必要性といったニュアンスを加え、事実はさておき自分が感じた心の動きを表すことができます。

 これらの表現を 駆使して主観的な心境を率直に話すことができれば、確実に英語の表現力を 高めることができます。

 いかがでしたか。現在形を使って日常の行動習慣、客観的な事実、主観的 な心の動きを表す例を見てきました。日々の行動習慣や客観的な事実を英語にする描写スキルと、自分の心の動きを英語でつぶやく表現スキルが身につけば、ひとりごと英語のStep 1は終了です。

著・光藤 京子
国際会議やビジネス会議の通訳を務めた後20年近く、東京外国語大学などで英語コミュニケーションや通訳・翻訳の指導にあたる。日英翻訳グループTAS代表、翻訳コンサルタント。グローバルコミュニケーションのプロフェッショナルとして、講演や雑誌の執筆活動も行う。


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