見出し画像

Dear My Hero,Jimmy.

毎年この日は、2004年の夜を思い出します。17歳だった僕は28歳になりました。それでもまだあの夜は、本当に大事な夜です。
美しかったチューニングの音。ふわりと舞い立つように響く輝き。重たかった君の鞄。ベートーベンで眠ってしまった横顔。見上げた高層ビルの、心地よい眩暈。案内板を見れなくって迷子になりそうな君にどきどきしたこと。いつもの仲間たち。クリスマスの灯り。他愛もない話。確かに傍に、いてくれたこと。
あの頃君がいてくれたことは、間違いなく僕の救いでした。あんなに僕に同調してくれる人、初めてだった。僕は僕でいいんだって思えた。あの頃、君の共鳴が、迷わず僕を支えていました。君がいるということが、僕がいていい理由でした。
ありがとう。本当に、何もかも、ありがとう。
きっと僕は君を傷つけたことも、不快にさせたこともあったと思う。いくつか心当たりがある。詫びても詫び足りないと思っているけれど、詫びれば詫びるほど君を困らせるのも分かっている。それほどのことをした。それでも、傍にいてくれた。いさせてくれた。それがどれほどのことか、きっと君なら分かってくれるはずだ。

僕にも君が、救えただろうか。ほんの少し、たとえば君が泣いていたあの時、君が憑かれていたあの時。僕という存在があることが、君にとっての肯定であっただろうか。僕にとっての君がそうであったみたいに。
もしも僕が君の救いの欠片であれたとしたら、それは僕にとって大きな救いだ。

そんな人と過ごせた夜が、今でも僕の中にある。ディティールはずいぶん忘れてしまったけど、まだ鮮やかに、あの夜のシーンが僕の中にある。あの夜の感情は、今でも海の底の宝物みたいに大事に大事に、僕の真ん中で眠っている。夢のように、幸せに。

あれから11年が経ちました。17歳だった僕は28歳になりました。悲しいこともありました。怖い思いをしたこともありました。自分が嫌いになったこともありました。嬉しい出会いもありました。楽しい出来事もありました。大好きなものが増えました。幸せな初恋もしました。振り返れば積み重なる時間が、人との歴史が、僕をずいぶん変えてくれました。少しは大人になりました。そんな28歳です。とても素敵な人生です。

今、君に会いたいです。何でもないことを話したいです。
あなたのすべてにありがとうと、心から、言いたいです。

ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

サポート分は、各種制作活動の材料費&研究費に使わせていただきます(・∪・) その他「○○やって」「○○に行ってレポート書いて」などのリクエストがあれば教えてください!