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出っ張っててすみません。

どこが出っ張ってるか、と言うと、足である。
正確に言うとすれば足の親指の付け根の骨である。
簡単に言うと、要は外反拇趾である。

気づいた時には外反拇趾だった。遺伝かもしれないし違うかもしれない。その辺はどうでもいいと思っているが、同じく外反拇趾である我が母上は、一時期非常に気にしておられた。「痛かもんねぇ、かわいそかねぇ。ごめんねぇ」と半年に二回くらいの頻度で言われていたが、ある日突然「あんたの外反拇趾って、あのせいよね」と心当たりを披露してから一切言わなくなった。娘としては、まぁ親の気苦労が減って良かろう、くらいに思っている。

散歩が趣味の一つであるので、歩いていて痛むことは あまりない。
ただ売られている靴がなかなか合わない。探し始めると、ものすごく時間がかかる。
特に困るのが仕事用のパンプスで、だいたい女性物というのは細長く出来ているもんだから、まったく合わない。ひどい時には足が入らない。合う合わない以前の問題である。
かと言ってEEEなんかの横幅の広いものなら合うか、と言うと そうでもない。私の場合、どうやら踵は普通サイズなのだ。なので全体的に幅広に作ってある靴は、踵がすぽすぽ抜ける。なんかもう いっそ面白いくらいに抜ける。すっぽすっぽ。
そんなこんなで だいたい窮屈なやつかすっぽ抜けるやつかの中から妥協できる範囲のものを選ぶので、「これがいい」でパンプスを買った試しが ほとんどない。と言うか、たぶん、ない。
「これでいいか」「これなら我慢できるか」で買うってことは、あまり愛着が湧かないってことだ。買われた靴もかわいそうだ。普通の人に買ってもらったら かわいがってもらえたのにねぇ、私のところに来たばっかりにねぇ…。おいたわしや。

気に入った靴が履けない時も悲しい。
すごく好きなデザインなのに。これ履いてお出かけしたら絶対幸せなのに。なのに履けない。ううう、ちくしょう!誰か骨 削って!

だから気に入ったものが大丈夫だと、2・3日テンションが高い。それくらい嬉しい。わーいわーい、私 新しい靴買ったんだよー、かわいいし履いても痛くないんだよー、わーいわーい。みたいな。眺めるだけで嬉しい。履いたらもっと嬉しい。歩いたら、もっともっと嬉しい。

いつかお金持ちになったら、オーダーメイドで作ってもらうんだ。大好きな靴と歩くんだ。

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