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【番外編】ペニンシュラ東京 マンゴープリン 1,400円+税

みんなちゃん達 of アマイモノスキー諸君らは、甘いものにおいくら万円出せるだろうか? 冷たくて甘いやつを食べよう!ってなった時に、予算的にいかほどをご想像つかまつるのだろうか?

僕はパフェ1,400円に税、コーヒーに1,000円に税、そしてそれらに15%のチャージ料である。チャージ料とはつまり、みかじめ料のようなものだ。お前たちの快適な時間と命の保証はしてやる! 跪け、命乞いをしろ! 自然とムスカの真似がしたくなる。ここは僕がムスカの真似をしたい訳じゃなくて、ムスカがあっちからやってきたのだ。細かい所だけど、僕がムスカになるのと、ムスカがやってきて僕に乗り移るのとでは意味合いが少し違ってくる。世界一どうでもいいがね。

早速、(自称)日本が誇るキングオブファミレス、天下のロイヤルホスト冷たくて甘いスウィーツ専門のわたくし、江戸川台ルーペがその美味さをレビューしていきたい。肩書きが偉い長い割に自称である。そういう自分が好き。結婚してほしい。すまん、僕には妻が。

見た目

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白いアイスがデンと鎮座ましまし、その上にはお嬢様の日傘の如き上品なパリパリ洋風煎餅が載っている。このパリパリ煎餅が何しろ美味い。初手アイスで、既に「オホッ」などと下品なおじさんの鼻息のマークが有楽町のペニンシュラホテルの地下でおでましましたったのですが、もちろんアイスもココナッツ味でべらぼうに美味いのだが、日傘のパリパリ洋風煎餅が大変美味しゅうございました。

パリパリ、の後、ホロホロ、そしてサラサラーの、爽やかな甘さだけを夏の木陰のように残して去っていく洋風煎餅で、控えめに言って15枚くらい食べたかった。シェフがうっかり三枚くらい載せてないかと期待したけど、もちろん1枚こっきりである。ペニンシュラのシェフは仕事が正確だ。

思い出のように淡く消え去った洋風煎餅の後には、あらわになったアイスと半透明の麗しいソース、子供が遊んだ後のように散らばったフルーツ。無意識の楽園。そしてその下には豊満なマンゴーの香りを湛える柔いプリンが、冷たく重たいスプーンの無遠慮な侵入への期待に、その身をフルルと震わせている。けひひ、こいつぁ上玉ですぜ! たまんねぇなぁ!!

フルーツをポツポツと食べていく。勢いがフレッシュで良い。ベリー系とキウイ、そして忘れちゃいけないとろとろマンゴー、それらとアイス(こちらも柔らかくて冷たくてすぐトロトロになる)をスプーンで掬って食べるともう最高だ。一口食べるごとに「うまし!」と叫びたくなるし、「シェフをよべ!」と大声を上げたくなる。シェフを呼んだ事など一度もありはしないが。忙しいだろうし。そして本体のマンゴープリンはプルプルであり、トロトロであり、冷たくて甘くて美味しい。豊かなマンゴーの風味とソースの絡まり具合、残存しているわずかなアイスと別れを惜しむかのように合わせるワルツは物悲しくも重厚なファンファーレを奏で、口から出る言葉など何もない。「うめぇ〜」、からの「うめぇ〜」の、字面からいったら家系ラーメンを食べてる時と変わらないのだけど、場所は間違いなくペニンシュラの地下である。である、と書く物書きで申し訳ない。


点数は99点!


あっという間に完食してしまった。最ofthe高の極めて貴重な体験であったと言わざるを得ません。言わざるを得ません。東京は有楽町のペニンシュラの地下に居ながらにして、異国に旅をしているかのような非日常感が味わえる特別なパフェでした。決して居心地がいい店内ではなくて、むしろ日本らしい狭い座席なのだけれど、パフェを口にした瞬間、通路には椰子の木がムクムクと生い茂り、壁はエメラルドグリーンの波となり、天井は底抜けの青さをたたえた南国へと旅立ったかのような気持ちになった。爽やかな風さえ青く感じられる。そんな気分にさせられるパフェは滅多にないんじゃなかろうか。

一方で、高くて美味いは当たり前という意識がどうしても抜けないおじさんであるので、大変申し訳ないのだけれど100点満点とはいかなかった。99点である。コーヒー一杯1000円って都市伝説かと思ってたよ。でもお代わりが無料で、二杯飲んだから実質500円だ。勝ったぜ!(人生では負けている人特有の視点) みんなちゃん達 of ボルシェヴィキも、そうじゃない人達も、三杯飲んだら束の間の勝者となれる。是非挑戦してほしい。もちろん、コーヒー自体もとても美味しい。


余談!

とても美味しかった。都内に出た時には、これを食べる為だけに訪れる価値がある。僕は以前(チケットをもらって)アフターヌーンティーを奥さんと食べに来た事があって、生演奏を聴きながら幸せな時間を過ごした。ホテル内の高級宝石店では、いつも扉の前で品の良い格好をした店員が訪れる客を直立して待っている。逆に入店し辛いんじゃないかなぁ、なんて僕は思うのだけど、1000円のコーヒーを普通と思っている経済観念をお持ちの方々にとってはごく普通なのかも知れない。ともあれ、ペニンシュラは18世紀あたりの貴族になった気分が味わえる素敵なホテルという印象がある。いつか泊まってみたい。

映画テネットについて友人の高野ザンクと語りながら食べた。お客さんがみんな品が良くて、女性は綺麗で驚いた。落ち着いた雰囲気で良し。僕だけ秋葉原から逆行してきた人みたいに動きがギクシャクして開き直るしかなかった(ザンクさんはお洒落でした)

僕が応援しているTrySailのメンバー雨宮天ちゃんがここのマンゴープリンが好きだったという(ザンク情報)二年前の天ちゃんブームを追いかけた形になるのだけど、何となく食べながらしみじみとしてしまった。何だか、二年なんてあっという間だよな、という思いに捕らわれてしまって。あっという間だよ、本当に。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

江戸川台ルーペ 2020年10月

べ、別にお金なんかいらないんだからね!