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Do The Ride Thing #2 免許を取る話

バイクを買った。でもバイクに乗るためには免許が必要だった。

クルマの免許を取ったのは18の冬。高校卒業後の春休みに、同級生のAに誘われ、新潟の教習所で合宿免許を取ることにした。Aが持参した教習所のパンフレットを片手に、高校の最寄りだったJR西千葉駅の公衆電話から申し込みの電話をした場面はいまでもよく覚えている。

あれから25年。あの日以来、他に免許や資格は取ったことがないので、25年ぶりに“教習”に通うというのは、やはり新鮮な緊張感がある。

乗りたいバイクは以前からハンターカブ(当時はCT110のことだったが)と決めていたので、必要な免許の取り方も少し調べていた。このバイクに乗るためには『小型自動二輪免許』が必要で、さらにホンダのカブシリーズはペダルシフトでギアチェンジをするがクラッチは使わない特殊な仕様のため、『オートマ限定免許』で乗ることが出来るらしい。これは自動車免許と同じく、マニュアル(MT)と比べて運転できる車種は限られるが、教習時間も少ない分、費用も少し安く済むようだ。

この『AT小型限定普通二輪免許』は自動車免許を持っていれば学科が免除され、さらに2018年に道交法のルールが変わり、“最短2日”の教習で免許が取れてしまうらしい。クルマの免許は維持しているので学科は免除だ。免許の画像は何かと申し込みに使うことが多いので、スキャン画像をdropboxに入れている。

免許

他にも『AT小型二輪』は、50cc以下のような“30km/h制限”や“二段階右折”がなかったり、バイク購入後の重量税が安かったりと、たまたま乗りたい車種がそのサイズだったとはいえ、道交法のスキマを抜けるような「安くて早くて安心ね(森末慎二ism)」な免許だったことも、バイク購入を踏み切らせた要因でもある。

・教習所へ行く

さっそく最寄りの自動車教習所を調べてみた。自宅の最寄りから通勤圏内までいくつか検索してみてわかったのは、意外と料金に差があることと、教習以外のサービスやオプションで他社と差別化をしていること。だが「結局同じことをするのに、言い方が違うだけ」という携帯キャリアのようなややこしさが面倒くさかったので、単純に一番安い教習所を選ぶことにした。

『AT小型二輪』教習の相場は、都内では約10万円前後のようだが、選んだ千葉県内の教習所は約65,000円だった。バイクの代金はローンで支払うことにしたが、教習料金はこういうときのために500円玉貯金で貯めた『10万円が貯まる本』をいよいよ崩し、現金一括払いをすることにした。さっそくWEBから申し込み用紙を請求する。

500円玉貯金

数日後の休日、入校手続きのために教習所へ向かう。500円玉はATMに入金し、紙幣で引き出してきた。駅前から教習所が運行している無料送迎バスに乗ると、これから初めて免許を取るような大学生くらいの若者が数人乗っている。彼らは25年前の自分だ。半ズボンにキャップをかぶり、500円玉貯金を崩してきた自分は少し恥ずかしい気がしたが、この人は25年後の、2045年の君たちなんだ。

・借りられないもの

教習所の受付で正式に入校の申し込みと支払いを済ませると、今後の教習スケジュールを説明され、教本が入った赤い教習バッグをもらった。ナイロン製のTSUTAYAのレンタルバッグのような見た目がとてもいい。

しかしこの日わかった問題が2つあった。ひとつは、コロナの影響で教習所が激混みだということ。緊急事態宣言中は教習所も休校だったので、そのしわ寄せとして生徒が殺到しており、また大学生あたりは学校も始まっていないので時間に余裕もあるせいか連日空きがなく、自分の教習スタートは少なくとも1ヶ月ほど先になるということだった。その後も半月に1コマ程度のスローペースになりそうで、バイクの納車は4ヶ月後だし教習も最短2日で済むと計算していたが、だいぶ予定が狂いそうだ。納車に間に合わないかも知れない。

もうひとつは、教習所で借りられると思っていたヘルメットとグローブは自前で用意しないといけないということ。ヘルメットはバイクの納車に合わせて買えばいいかとボンヤリ考えていたので、まだ何も検討していなかった。バイクの知識がゼロなので、もちろんヘルメットの知識もゼロ。そもそもどこに売っているのかよくわからない。ホームセンター?オートバックス?

初回教習まで1ヶ月あるとはいえ、ギリギリまで事を済ませない自分の性格を憂慮して、出来るだけ早めに探しておきたい。そしてこの日は休日だし、なんと言っても500円玉を崩した現金の余りがある。ということで、教習所に申し込みをし終えたその足で、すぐにヘルメットを探しに行くことにした。次回は『Do The Ride Thing/ヘルメットをかぶる話』。

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