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Do The Ride Thing #4 適正検査の話

通う教習所は元プロ野球選手の親が経営しており、その選手もプロ引退後に入社し働いているそうで、教習所内には記念のユニフォームが飾ってあったりする。

さて、支払いを済ませ、教習に必要な道具も購入し、いよいよ初教習……の前にまず『入校式』という日程があり、そこで『適性検査』というテストを受けるらしい。

『適正検査』はペーパーテスト形式で、前半は図形や絵を条件に沿って判別したり、ミニマルな作業を素早く正確に行ったりする「人間の機能」を診断するテストと、後半は「こういうとき、あなたならどうする?」といった心理テストや、映画などで見て憧れていた“ロールシャッハ”テストなど「人間の内面」を診断するであろうテストだった。

こうしたテストは小学校のころの知能テスト以来なので、ゲーム感覚で楽しんだ。図形の判別などは、大人の知恵と工夫で効率よく出来そうだと思ったが、すぐに時間切れ。心理テストも自意識が邪魔をして「どちらとも言えない」を選びがちになってしまったりと、自分自身が様々な角度から生々しく試されている実感もあり、非常〜に楽しかった。もっと人間ドック的に時間をかけてテストを行い、自分自身の能力や内面を丸裸にしてもらいたいと思った。この結果が悪かったりすると、教習を受けられなかったりするのだろうか。後ろの席にいた男性は、心理テストで悩みすぎているようで教官から注意をされていた。ひょっとするとロールシャッハテストも「どれも死んだ犬の顔に見える」タイプだろうか。

後日返ってきた診断結果はこんな感じ。

適正診断_編集

5段階評価で「中の中」。コメント欄には「精神的には穏やかで非常に安定しているが、自分をよく見せようとして、多少、背伸びをしたがる傾向が見られます」とのこと。そうかも。

この日はこの『適性検査』だけで終了なので、次回からいよいよ開始される教習日程を予約する。教習所の予約システムは、ICカードで認証する専用端末がWEBと連動していて大変スマートで便利。25年前の自動車教習は、もちろんこんな仕組みはなかったと思う。教習日程の混雑具合は相変わらずのようで、約3週間後にようやく初日の予約が取れた。申し込みから約1ヶ月後だ。

時間が余ったので、帰りにまた『2りんかん』に寄ってみると、注文した「CT125 ハンターカブ」の実車が置いてあった。注文時にはバイク屋に在庫がなかったので、じつは実車をちゃんと見るのは今日が初めて。いままでお見合い写真でしか見たことなかった婚約相手に、街でばったり会ったような感覚だ(?)。このカラーモデルの特徴でもあるマット塗装は巨大なプラモデルのような質感で、このオモチャ感も大変好みだ。

見慣れていないバイクという乗り物を改めてまじまじと見ると、この剥き出しの機械そのものに乗る感じは、すこし恐ろしいと思った。今まで乗ってきたクルマは「移動する部屋」だが、バイクは「ガソリンを圧縮爆発させる機械」そのものに跨がる感覚が生々しく危うく楽しいんだろうなと、未知の感覚を想像した。この未知の感覚こそ、新しい趣味を開拓することで味わえる、独特の快感でもある。

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