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装飾動物

先日、春から高校生になる姪と私の自宅で話していたとき、
「部屋にあるもの」に話題が及びました。


姪の部屋の窓辺には、サンキャッチャー(ガラス、クリスタル、アクリルなど透明な材料で作られ、釣り糸のような糸に吊るして、光を通すことで美しい光のスペクトル(虹のような色彩)を作り出します。)
が吊るされていて、その側に自分で作った”ししゅう”を飾っているという。


へえ、”詩”を書いているんだ、というと、
「そんなわけはない、寒むすぎでしょ?」
と一蹴されてしまいました。
姪のいう”ししゅう”は刺繍だったわけですが、、


「詩」が好きだったことや
「詩」を書く人の心のとらわれのなさ
言葉に対する感度
あやうさ
現実と夢想の間を延々と行き来する寄る辺なさ


のようなものへの憧れを、告白する気にはならず、


彼女の話していた、
カップケーキ柄を施されたパステル調の刺繍を思い浮かべて
手先の器用さや可愛らしい絵柄について「いいね」と褒めました。


布の表面に、針と糸を用いて、模様や図案を施して装飾する刺繍と、
紙の上で、言葉を組み合わせたり、飾り立てる詩の集合、
装飾して自ら楽しむという点で同じ位置にあって、
人生の、といったら大げさかもしれないけれど、
生きていく中で、選ばずにはいられない楽しみだったからこそ、
手元に残ったのだと思います。

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