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TW彩の国100mile 2024

3年連続3回目のチャレンジを振り返ります。


過去実績と今回走る意味

最初のチャレンジは2022年。直前に胃腸風邪を患い、まともに食べれない状態で臨んだ。固形物を避け全部ジェルで乗り切ろうとしたがやはり無理があり、South1で大失速し、サンピアに戻った時には関門を1時間超過していた。結果記録はSouth1の桂木観音まででDNF

2度目の2023年は既に好成績でサイラーとなっていた友人がペーサーを申し出てくれて、South1/2の100kmを引っ張って貰ったおかげで完走。

サイラーにはなれたものの、その後ソロで挑んだONTAKE100mileと信越五岳100mileをいずれもDNFした事もあり、ソロでのサイラーを目指そう、という決意をして三たびクリック合戦に臨んだ。
運良くエントリー出来たので、その後の大きなモチベーションの源泉となった。

レースまでの過ごし方

1〜3月

11月12月と香港の100km階段地獄(Trans Lantau 100, TNF HK100)で急傾斜登坂力は作れていたので、平地ロングの走力強化に軸を置いた。

1月に「沖縄58ラン(85kmでリタイア)」、2月に九州縦断歩き旅400km(鹿児島中央駅〜博多駅)、3月には「小江戸大江戸200k」をこなし、長い距離の走り方のコツと地脚の強さを得ることができた。

普段の練習は週末を含めて近所のロード/坂練ばかりで山に入っていなかったので、傾斜路の走力の落ち込みが不安だったが、3末ハセツネ30kでそこそこ走れた(5時間弱)ので、垂直方向はやや弱ってる感は有ったが致命的では無いという手応えもあった。4月はここの強化を意識した。

4月

近所の坂練(2時間20km500mD+)で特に下りの前腿の筋力強化を意識した。これを週1-2回実施。

一周1.4kmほどの坂をぐるぐる

加えて、毎週のジムでの筋トレ(スクワット系)で登坂力を補強した。ウェイト14kgを持ってのブルガリアンスクワット(片足スクワット)がかなり効いた。

想定外としては、4月最終週にコロナに感染し、GW中盤までの10日ほどまるまる走れなかったこと。体力低下を懸念したが、食事をしっかり摂って大きく低下しないよう留意した。

結局現地試走には一度も行かなかった。

1〜4月は登ってない。3月多いのはハセツネ30kの分
距離も踏んでない。3月は小江戸大江戸200kの分

レース一週間前

週末に丹沢ボッカマラソンで20kgを背負って3区10分程度の区間を担当。短時間なので疲れも無く脚にいい刺激を入れられた。

20kgを背負って10分程の区間

その後の平日は完全にノーラン。睡眠を多くとり仕事のストレスを回避しリラックスして過ごすよう努めた。

レース前日

川越のホテルに15時過ぎにチェックイン。荷物を置いてサンピアへ向かい受付を済ました。あっさり終わって戻りのバスが来るまでソロキャンプエリアなど周囲を散策。
川越に戻って餃子の満洲でダブル餃子定食を食べ、19時半ごろホテルに戻り風呂に浸かって21時ごろ就寝。駅近くのホテルで良かった。

もちもち餃子うまい

レース当日

21時に就寝したが、1時過ぎに目が覚めてから眠れなかった。寝不足のまま3時半から準備開始、朝食にはカップ麺+わかめおにぎり1個を食べた。
5時前にホテルを出て5時過ぎの川越駅発で越生へ向かった。途中の乗換駅でトイレ大を済ませ、05:50頃に越生駅に到着。サンピア到着は06:10ごろだったろうか。
体育館では淡々と準備をした。知ってる顔や友人も見かけたが、声掛けや会話はせずにスタートまで一人で過ごした。

スタート前のゲート付近

補給・飲料

スタート前

Answer600 1本、甘酒200mlパック 1本 を摂取

サンピアに戻ったとき用

甘酒200mlパック、ザバスプロテイン15g 200mlパック

まいばすけっとで100円程度
あっさりしてて美味しい

レース中

  • ジェル系  N/S1/S2

    • wiggleジェル

    • Ando_ 赤・青

    • アスリチューン

  • 固形物   S1/S2

    • ライスピュレ

    • ブルボンBCAA入りバー

  • その他   N/S1/S2

    • 塩熱サプリ梅

    • パラチノースタブレット 

    • ロッテ カリンのど飴

    • トメルミン #眠気対策2錠 1つのみ使用

    • MAGMA     #胃腸不調時対策 使わず

<補足>
ジェルなどは、周回ごとにジップロックに封入。サンピアでは袋ごと持って出てザックにいれる作業も歩きながら行う想定。空いたジップロックはその後のゴミ袋として転用。サンピアに戻ったら袋ごと廃棄。
各周回持って出た補給食はサンピア戻るまでに全部食べきることを目標とした。

Wiggleのジェルはもはや入手不可

ドリンク

  • ピュアパラ

  • TOP SPEED ウルトラミネラルタブレット

  • OS-1  #各周回スタート時

<Tips>
2つのボトルのうち、左は水あるいはエイドの麦茶、右は最初にOS-1、なくなったらエイドの水にピュアパラ1つ+TOPSPEED 1粒を溶かして携行。エイドのスポドリは使わない。

装備

服装・携行品

ウェア系のみ

シャツ:Salomon ノースリーブ
パンツ:Patagonia ストライダープロショーツ5inch
インナー:Innerfact シームレスパンツ
ソックス:Innerfact ラミー5本指ミドル丈
アームスリーブ:Finetrack  #すぐ外した
手袋 : ダイソー 指出し手袋 #すぐ外した
ヘッド:Hereness ハット #North 陽射し避け
    Patagonia ダックビル #South1,2 放熱
ネック:冷感タオル  #板橋シティM参加賞 
ライト:LEDLENSER H8R  #予備 O-Light
フラスク:Osprayプラボトル
ザック:Instinct ⅻ

<補足>ザックの選択理由
暑い時期のレースだと特にだが、必携品よりジェル類の方が重量堆積共に比率が大きくなるので、背中の収納は少なくてもフロントの容量の多いザックが欲しくなる。脇が空いていて放熱しやすいこともあり、Instinctを選択。

彩の国は3回ともコレをチョイス
12リットルだがそんなに要らない

<補足>ライトチェック対策
慈光寺でライトチェックがあるので、ライトは出しやすいようザックの一番上に配置した。前回はサブライト(O-Light)を取り出して点灯させようとしたらロックが外れずやや手間取ったので、今回はボタンロックのないH8Rを点灯確認に使った。

暑さ対策

  • 薄手で脇大きく空いてて身体に密着しない大きめサイズのノースリーブ → salomonのノースリーブを新規に購入

  • 首と肩と顔に日焼け止め

  • 冷感タオルを濡らして首に巻く、乾いたらフラスコの水で濡らす、暑かったらそれで顔も拭いて冷やす

  • アームスリーブと手袋は無し

  • 帽子はハットで陽射しを避ける、木陰は取る

  • 心拍は概ね150を越えないように管理。

  • 前後の人のペースが速い/キツいと感じたら心拍数に拘らずすぐ落として体温が上がらない様に注意。人についていかない、自分の身体状態に合わせて動く(信越五岳で熱中症になった反省)

レース戦略

タイムテーブル

事前の計画は昨年の実績を基に設定した。ただし去年実績が33:20くらいなのに対し、今回は33:40で設定。焦らず諦めずイーブンペースで時間を有効に使う想定とした。

去年実績より20分遅い計画

ポジション

最後方で落ち着いて走り、自分の立てた計画・ペースを崩さない事を守ろうと考えた。抜かれるより抜くほうがメンタル面でも落ち着くので、レース全体を通して前にいる人を目印・ペーサーに見立て進んでいこう、という考え方で臨んだ。

実際のレース運び

North

  • とにかく周囲のランナーを気にしないように自分の状態に集中。ペースや負荷の上げ下げをせず一定を保つこと意識した。その為に前に出たい時は前に出たし、ダメならすぐに後ろに下がった。この感覚でウォーミングアップのつもりで終わらせた。

  • 区間タイムはほぼ想定通り。特に合わせにいっていない。

  • サンピア到着時、脚も身体も疲れは無かったのでトイレ込みで6分でサンピアアウト。カレーは食べなかった。早く進みたかった。

South1

  • 「最初のロードをサボらない、最初の登りで遅れても落ち込まない」をまず入りに意識した。

  • その後暑さを感じて登りに苦戦し各区間5-10分ずつ多くなって積み重なった。それでもネガティブにならず1区間毎を焦らず進んだ。

  • 各エイドは素早く出た。エイド食はしっかり摂りつつ1分半程度。胃腸に不快感無く全部美味しく食べれた。

  • 結局計画より1時間弱多くかかってサンピアに到着。この時点で4時半を過ぎていて、サウス2の各関門時間が気になる時間帯となっていた。ただどのくらい危ういのか頭が回らず計算できず、やばいかもなぁという感覚だけでサンピアに入った。

  • すると、ピッと鳴らした僕の横にサッと人がやって来て「桂木観音は行けてもkinoca が危ないです。3周目行くならすぐに出ましょう」と多分3回繰り返し強い口調で話してくれた。大会会場で会うと励まし合う仲のSくんだった。それを聞いて一気にテンションが上がった僕はsouth2向けの補給食の入った袋を掴むとすぐにサンピアを出た。滞在3分。ずっと応援してくれていた仲間達からも「絶対行ける」と何度も声を掛けてもらい気持ちが奮い立って「サイラーになりたい!」と体育館の中で大声で叫んだのを覚えている。

South2

  • 気持ちを落ち着かせてsouth1と同様ロードをサボらず一定ペースを意識した。

  • とはいえ、Sくんの助言を踏まえてkinoca に余裕を持って到着し、竹寺までの区間にバッファを持ちたかったので、south1で苦戦した桂木観音から一本杉峠までの区間を頑張った。鼻曲山の手前の急登も止まらずいった。あそこがスムーズに動けたのが一番のポイント/分岐点だった。あれをサウス1の様に遅れたら、時間的にも精神的にも厳しかった。おかげでkinoca ー竹寺間を落ち着いて進めた。

  • それ以降、登りではひたすら「脚を止めるな」を繰り返し唱えた。水や補給の度に立ち止まると累積で大きく遅れる。ため息ついても意味がない前へ進めと自分に言い聞かせた。

  • 「頑張れ頑張れ」と声に出した。声を出すと身体が動いた。

  • ノボットから竹寺までは前回の記憶が無くこんなコースだっけ?と思いながら進んだ。鉄塔まで来てやっと記憶と整合しホッとした。

  • 竹寺にはほぼ事前に計画した区間タイムで到着出来たので、これでなんとかなるだろう、と気持ちが楽になった。竹寺エイドも余裕のあるゆったりとした雰囲気でリラックス出来た。豚汁と稲荷寿司を美味しく食べた。

  • 高山不動までは声を出し脚を止めない事に注力して淡々と進んだ。大きく遅れなかったので安心してエイドでうどんを食べやや長居した。

  • しっかり食べたせいか、関八州からの下りの四寸道辺りから眠気が来て進まなくなった。ずいぶん経ってから気づいてのど飴を舐めて少しスッキリしたが、今思えばトメルミンを飲むべきだった。

  • 転ばない様に慎重に慎重に下りを進み、桂木観音でお尻ペンペンを頂き、残りサンピアまではしっかり走れた。ロードに出てからも「ロードをサボらない」を思い出してジョグを繋ぎ、仲間が待つサンピアが見えてきたら、なんだか向こうで叫んでいるので、出し切るつもりでダッシュ、サンピア前の坂も走って登って花道へ。ゲートが近づくと思いがけずゴールテープがあって笑ってしまった。

沢山の拍手とナイスラン!を頂いた

リザルト

34時間14分26秒
 North  9:15  (6)
 South1 12:11 (2.5)
 South2 12:40

意外と元気にゴール
South1は遅れたが、NorthとSouth2は計画通り
サンピア滞在時間を最小限にしてタイムを稼いだ

走り方(全体通して)

  • 登りは積極的に腕を振って反動を利用した。腰や腿に手を当てるのは今回やらなかった。

  • 下りは慎重に行った。安全>>速さを意識。2周目の子の権現からの下り以降は足裏が痛くて下れなかったが、転倒の方が怖かったので慎重に降りた。

  • ロードの平地や緩い傾斜はよく脚が動いて走れた。ロング走の効果を実感した。一方で階段系の登りを上る力は弱っていた。過去半年の練習内容や傾向がそのまま出た。

  • エイド滞在はノースはほぼ2分以内、サウスも3分程度で出たはず。サンピアも6分/3分。最後の竹寺と高山不動はやや長居した。

胃腸関連

  • 終始補給食も固形物は普通に食べれた。

    • 堂平のパスタは安定の旨さ。よく噛む事だけ注意した。

    • くぬぎ山のサンドイッチも美味しかった。

    • 桂木観音のカレー/筍おにぎりは持って出て途中で空腹を感じた時に食べた。助かった。フルーツポンチも通過4回全てで食べた。

    • kinocaのチキンサンドは美味しかった。2つ食べた。

    • 竹寺の豚汁と高山不動の肉うどんは鉄板のうまさ。しっかり食べた。

    • どこのエイドでもいなり寿司はよく食べた。

    • プチトマトも口がサッパリして良かった。

  • エイドの飲み物は、都度マイカップ1杯にとどめた。

    • カルピスウォーターをよく飲んだ。

    • カルピスソーダも美味しかったが、炭酸入りなのでその後胃腸が気持ち悪くなったので辞めた。

    • コーラはNorth途中の私設エイドで100mlくらいだけ飲んだ(舐めた)のみ

  • レース中に大は無し、途中もよおす事も無し。

  • 胃が気持ち悪くなることもほぼ無し。

    • 理由はわからない。そのくせ完走とリタイアを分ける最大の要因。今回自分は運がよかったと感じざるを得ない。

課題・改善点・良かった点

  • 脇スレ発生、ノースリーブでは対策必要

  • 足裏は皮膚面は問題無かったが、最後の下りは痛みがあって踏み込めなかった

  • Hereness のハットはやはり暑かった。直射日光には有効だったがほとんどの日陰区間ではやや冗長だった。日差しのある時だけ遮る方法を模索する必要がある。

  • wiggleジェルとando_をメインに1時間に一本摂りつつ、登り前などで適宜アスリチューンを摂取。

  • 固形物はブルボンのバーとライスピュレを各々一つ摂取。後はエイド食のみ。

  • サンピアでデポしていたザバスと甘酒パック飲んだ。

  • 塩熱サプリ梅味をよく摂った、足攣り無し。

  • パラチノースのタブレットもジェル補給の合間に摂った。

  • 眠い時にカリンのど飴は有効だった。眠気が覚める。口の中さっぱりして良い。今後も携行する。

手軽に手に入るしロング走に有効


  • トメルミンは一回摂った、一個余らせてしまった、眠気強い時に摂るべきだった

  • ゴミ袋持参はストレス無くて良い

  • 持って出た補給食全部食べる、は達成度90点くらい、エイド食とっててもほぼ時間で摂ったし、繰り延べた分は坂道の前など高負荷区間の前に摂った

  • サンピア出た後の川沿いにある公衆トイレで水を汲んだ。サンピアで焦って早く出た為に汲み忘れた。危ないところで助かった。


というわけで、ダラダラと書いていて情報が重複していたり矛盾していたりするかもしれませんが、これから彩の国サイラーに挑む方にとって何か参考になれば幸いです。

ここまで読んでくださった皆さんの健闘を祈ります🤞

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