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「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド (著) , 倉骨 彰 (翻訳))

同じ起源を持ち世界中に散らばっていった人類が氷河期以降の人類の歴史13,000年の中で、どのような理由で違いが生まれていったのかを極めて科学的根拠に基づき読み解いていっている。その要素として本書のタイトルにもなっている銃・病原菌・鉄を挙げるが、興味深いのがそれがもたらされたのが自然環境・生活スタイル・異文化や異民族との交流の頻度などの要素が複雑に絡み合った結果によるというところだ。自然環境の違いにより食料事情や調達方法は変わる。家畜とともに農耕しながら定住生活をしていると人口が増え高度な社会が出来上がり、家畜とのふれあいの中から様々な病原菌への免疫を身に着ける。頻繁な交流は技術や文化を高め、富を守るために戦いが生じ、高度な武器も生まれる。その結果が今につながる世界史の結果となっている。

面白いのは著者が進化生物学者で医学部教授というところ。様々な知見とニューギニアなどでのフィールドワークでの実経験に基づく考察が紐解いていく人類の歴史を読むと、COVID-19に苦しむ現代の私たちにも次の社会のあり方を考える上での視点を与えてくれるのではないだろうか。

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