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At-Talaq

早いものであれから1年が経過した。正確には1年と1ヶ月。離婚が成立してからしばらくは残っている荷物を取りに来た元妻と会話をすることもあったがそれも去年の3月には終わった。

もともと家事は分担してやっていたし週末は私も食事を作っていたから今のところ家事に困ることはない。自分のペースであれこれ進められるし気分で変わるような意見を言われることがないという点に関して言えば今の状況は悪くない。
ただしそれは表面上、見える範囲の生活についてであって、今までの1年間は精神的にはかなり辛い日々だった。

男性が持つ結婚観として「家が掃除されていて洗濯もされていて帰れば温かいご飯がある」と表現することに対して女性が反感を持つという場面がある。文字通りであれば反感を持たれて当然だろうし、男性の中には本当にそう思っている人もいるかも知れない。
でも実際には(私個人としては)その裏にある「大切な人からの愛情を感じていたい」というのが本心かと思う。必要なら掃除も洗濯も自分ですればいいし飯だって好きなものを作ればいい。

私が家族と向き合い、話をよく聞いて、惜しみなく愛情を注いで、それが行動に表れていれば、現状が違っているだろうことは重々承知している。いろいろと言い訳はできるが今となってはその意味もない。
心に深く開いた穴が埋まることはないけどそれが当たり前になったのか最近は慣れてきた。ただ今でもその穴を覗くと何もない暗闇だけが見えて怖くなる。

「あなたは一人で生きていける人」私から離れていく人はみんなそう言っていた。全然そんなことはないはずなんだけどな……でも、どうなんだろうか……

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