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コロナ倒産した僕が、みんなに伝えたいこと【6話】-フィリピンの話その2-

これは、僕の物語を少し脚色して読みやすく書いてくれている記事「コロナ倒産した僕が、破産を決意した日のこと【1話】」との競作でもあります。もしよければそちらもどうぞ。

僕の会社は、タイで作ったゴム風船のセットを日本のコンビニやスーパーや100均で売って頂く商売をしておりましたが、2020年3月25日に事業をストップし、4月6日に東京地方裁判所に破産申告書を提出し、4月10日に破産開始決定となりました。後でわかりましたが、都内で6件目のコロナ倒産企業でした。

なるべく迷惑が少なくなるようにと様々な対策を施しましたが、倒産の結果、やはり債権者のみなさんには多大なご迷惑をおかけしてしまいました。改めて、お詫び申し上げます。そして、そんな僕に再度人生をやり直せるチャンスを頂いたことに感謝申し上げます。ありがとうございます。

そんなコロナ倒産した僕が、コロナ父さんとなり、みなさんに伝えたいことを少しずつ書いていきたいと思います。

<フィリピンの話その2>

こちら「フィリピンンの話その1」の続きです。

前回は社長になって5年目の2014年から日本のゴム風船の市場の先行きが望めないため、フィリピンの市場へ出ようという話でした。市場調査した玩具チェーン店はToyking Domというフィリピン最大の玩具チェーンでした。フィリピンのショッピングモールで最大のSM(Shoe Mart、元々靴屋さんから始った)のグループ企業で当時でも国内100店舗近くありました。

そこの多分最大の売り上げを誇るであろう1店舗での調査によると、日本円で月に20万円の売上がある事を知り、100店舗あるとして他の店はその半分、念のため話半分と思っても20万円x100店舗x12か月÷2÷2=6000万円/年間の売り上げは相当です。しかも店舗で売ってる値段がなんと日本の1.5倍の売価がついている。つまり日本で売るより儲かるのではと、心が躍りました。

同時に売り場にある主なゴム風船をサンプルとして購入して、このお店の商品構成と売価と風船の品質について、ホテルに帰って分析レポート(売価、メーカー、サイズ、規格、数量、原価概、厚さ、ふくらました際の肉厚の均等差、ピンホールの有無、原料の流れのチェック等)を作成しました。結果、僕の会社で商品供給をした場合(同程度の内容、タイで作ってフィリピンに持ってくる)、日本で売る以上の利益がでる試算ができたのと、その競争相手にも品質・価格的に勝てる見込みがつき、夢が膨らんでいきました。

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さて、次はどうやってこのお店に売るか?が問題です。やはりここは現地のフィリピン人のパートナーが必要と考え、タイにいる日本人のパートナーから、彼が前にフィリピンで工場経営をしていた時のパートナーの中華系のEさんを紹介してもらいました。彼は最近息子が生まれたばかりで、フィリピンは出生率の高さより、ベビー及び玩具市場は拡大するため、バルーンビジネスは伸びると感じていたそうでした。そのため快く僕の会社のフィリピン市場での販売代理店を引き受けてもらう話がまとまりました。

ただし、この時はまだこちらでの販売に関してルートがあるわけでなく、さらにそこにどんなコストがかかるかは分かっておらず、まずは販売するお店へのコンタクト、商売の条件の確認、そして商品供給にあたりかかるコストを調べるところからのスタートになりました。

そこからDさんに先のToy Kingdomへのアプローチを始めてもらいます。しかしなかなか電話でのコンタクトで担当者を捕まえることができませんでした。同時に日本にもある世界企業のToys "R" Usがフィリピンにもあり、そこへもコンタクトをしてもらいました。

そして3か月が過ぎた頃にDさんからメールがあり、とりあえずToys "R" Usの商品バイヤーとのコンタクトが取れ、アポイントを取れそうだとの連絡が来ました。僕は直近でフィリピンに行ける日程を調べ、Dさんよりアポイントを取ってもらい、期待に胸を膨らませながら、フィリピンに向かうのでした。

続きは「フィリピンの話その3」へ

<コロナ父さんに任せなさい>

さて4月に裁判所より破産申し立て受理がなされ、自身は9月末に免責となったわけですが、会社の清算はまだもう少し残っております。そして会社の本社は売却され、取り壊しの工事が今月の2020年11月初より開始されました。

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戦前に祖父と祖母が一生懸命建てた家でもあり、僕の会社の本社がショベルカーで壊されていく様を見てきました。解っていた事であり覚悟していた事でもありますが、いざ壊されていく姿をみると自然と「涙」があふれてきました。祖父と祖母そして父が眠るお墓に改めて、報告に行こうと誓いました。「ごめん、頑張ったけど力不足で、うまくいかなかった。この悔しさをバネにして、また一から頑張ります。どうか見守っていてください。」と言いたいです。

大丈夫、終わりじゃないよ。と人に言いながら、自分にも言い聞かせたい。

何かあったら「コロナ父さんに任せなさい」。

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