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ハンコ出勤

ほとんどの会社でリモートワークが導入され、通勤は不要不急な外出と認定されたわけですが(笑)、それでも「会社に行かなければならない」という方がいます。その出社する理由一つが「ハンコを押す」という業務。より正確には「朱肉により赤色系のインクを付着させた印面を物理的に紙に接触せしめることにより、その紙の上に印影を生じさせる行為」と言えばよいだろうか。

ともかく、それがコロナウイルスに罹患するかもしれないリスクを犯してまでやらなければならない業務ということになっています。21世紀になってもう20年経っていて、より安全な電子的な代替手段も利用可能なのに。

では、なぜ未だにハンコが使われているのか? 様々な理由があると思いますが、突き詰めて考えてみると、ハンコが押される側、つまり物理的な紙を使った書類が残っているからじゃないでしょうか。押される側がなくなれば押す側は使いようがありません。では、紙の書類って無くせないものでしょうか?

よく聞く理由に「法令遵守のために書類を一定期間取っておかなければならないのだ」というのがあります。実際そういう書類もあるのだとは思いますが、例えば帳簿類や貸借対照表の様な国税関連の書類などはデータでの保存が認められています。それを定めているのが電子帳簿保存法で、これはなんと1998年に成立した法律です。つまりも20年以上も経っている(泣)。それ以外の書類でも物理的な紙の書類を保管しなければならないものは限られていると思います。

ではどうすれば紙の書類の使用を減らせるのか?ここは経済原理に則って、紙の値段を上げてしまうというのはいかがでしょうか。例えば、コピー紙500枚入りの価格を見るとだいたい500円くらい。ここに例えば一枚あたり10円の税金をかけると 5,500円。だいぶ使いにくくなりますね。さらに、一枚あたり100円の税金にすると 50,500円。コピー用紙一束が5万円。もう誰も使わないですね(笑)

そうすれば一気に書類の電子化が進むんじゃないでしょうか。中小企業などで余裕のないところとかはあると思いますが、それでも紙にかけた税金を原資に助成した方が将来的には良いですよね。

紙が電子化されればこれまでのハンコは不要になるでしょう。卑弥呼の時代から使われてきたハンコからようやく脱却できるわけです。代わりに電子署名が使われるようになると思うのですが、今の電子署名はあまり使いやすいとは言えません。初期設定が面倒だったり、署名する時にパスフレーズを入れさせられたりして、そういうのに疎い(でも偉い)人から敬遠されてきたわけです。

一つのアイディアとしてはハンコ的なデバイスを作って、それを何かに近づけると自動的に電子署名する、みたいなことも考えられます。これなら電子署名がよくわからない人にも使いこなせるでしょう。

でも結局それを持ち歩かなければならなかったり「あ、会社に忘れてきた」といってハンコ出勤するなんてことになったら本末転倒です。まあたぶん本命は生体認証でしょう。指紋、静脈、顔、様々な認証方法がありますが、今は多くのスマホにその機能が搭載されています。

それを使ってネットの買い物もパスフレーズを入れずにできるようになっていますが、それと同じ様にスマホで生体認証して自動署名となればだいぶ楽になります。スマホだけでなくPCでもカメラやその他の生体認証デバイスが搭載されてきているのでPCでもきっと同じことができるでしょう。

ということで、紙とハンコ。これらを「ああ、懐かしい〜。そう言えばそういうのあったねー」「ハンコ出勤って会ったよね」「あったあった」みたいな会話をできるだけ早くできるようにしたいものです。

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