ありったけの愛を込めて

これは私の記憶。ラブレター。
今の気持ちを忘れたくない。
だからここに書いてみようと思う。


私の大好きなバンドが今日で活動を終えてしまう。
もう生の音が聞けないことがすごく寂しい。
でも昨日今日とライブに2日間行けて、
最後を見届けることができるのは幸せなことだ。

そのバンドの名前は、the  chef cooks me

彼らとの出会いは、私が中学生の頃。
だいたい13年前(私も歳をとったな…!)

出会いはアジカンのゴッチのブログ。
ゴッチが地元にミュージックビデオを撮りにきたことを書いていた。田舎の学生なんて、無駄に地元愛が強いもんだからすぐに検索してそれを見た。その曲がシェフの「環状線は僕らをのせて」だった。

それからシェフの曲をいくつか聴いたと思うけど、
その頃の私の心に1番刺さったのは「適当な闇」だった。

私の学生時代は、あまり楽しくなかった。
今思い返すと私にも非があったかもしれないけど、クラスメイトにいやがらせされていて、私にとって学校はこわくてストレスが溜まる場所だった。

だから学校に行く前、身支度を終えて
余った時間にシェフの曲を聴いていた。
当時、間違いなくそれが私の活力の源だった。

目を瞑って、床に寝転がって、
何度も何度も。今でもあの感覚は覚えてる。

当時はもちろんガラケーで。
あれはたぶんYouTube。
私の携帯プランはパケホだったのかも。

彼らは私のヒーローだった。



今までいろんなライブに行ってきたけど、
1番好きなのはシェフのライブ。
これはきっと私が死ぬまで揺るがない。

曲ごとに振り付けがあったり、サビになったら全員で手を上げたり、そんなライブが私は苦手だ。
やらないと周りから浮いてるような気がしちゃうから。
(28歳にもなれば、さすがに自覚がある。
私はとても気にしいでそれなりにめんどくさい人間なのです)

シェフのライブはいつだって自由だった。
体を揺らしたり踊ったり、じっと聴き入ったり。
ファンの年齢層も幅広くてお子さん連れもいたりする。
それぞれがそれぞれの楽しみ方でそこにいる。
多幸感って言葉をファンの感想でたまに聞くけど、まさにそれ。何も考えなくていい空間が心地良い。

いろんな音が一斉になって、
パーっとステージが白く照らされて、
大好きな歌が聞こえてくる。
それはとてつもなく幸福な瞬間だ。

曲も歌詞も好きだけれど、なんたって
わたしはボーカルのシモリョーさんの人間性に惹かれるのである。

人間ぽいところ、柔らかい雰囲気、
言葉から伝わってくる繊細さや小さな気遣い。

私が知っているのは、彼の0.01パーセントの部分かもしれないけれど、優しい人なんだなだと思う。

シモさんが自分のことを優しくないって言うのを聞いたことがあるけど、たぶん他のファンもみんな感じてる。


はじまりがあれば、おわりもある。
そんなこと、とっくにわかってたつもりだったけど、シェフの活動終了のお知らせには衝撃をうけた。

活動頻度は多くなくてもときどきライブがあって
、会場にはいつも同じ顔ぶれのファンの人達がいて、シェフの音に包まれることができる。

それが私の心の大きな支えだった。
仕事がうまくいかないときも、精神的にまいってたときも、いつでも変わらずそこにあった。
その存在が何度も私を救ってくれた。

あああ、さみしい。
本当に終わってしまうんだな。
これを書きながらやっと実感してきた。

ライブでもらったあったかさを
なるだけ長く私の心に留めておきたい。
忘れたくない。

でもね、私は知ってる。音楽は消えない。
いつでもシェフの曲は聴くことができる。

だから寂しいけど、寂しくない。

最後の瞬間は、思いを込めたありったけの拍手と笑顔を彼らに届けたい。

シェフのみなさんのこれからの
更なる活躍に期待と祈りを込めて。

そろそろ会場に向かおう。

今日がいい日になりますように。

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