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コロはじまりのお話

『コロ』
という表記で世の中に出たのは
2004年6月 柿喰う客の旗揚げ公演「サバンナの掟」からである。

なぜ、コロなのか
本名に関係のない『コロ』という文字、響きの起こりは中学生に遡る
歴史は長いがつけた理由は
「なんとなく」
という、まったくドラマのない話なので薄目で読んで頂けたら嬉しいし
なんだ、なんとなくか、とここで終わりにしても差し支えない

当時私は習い事で毎年全国各地から様々な人が集まりキャンプをするといったことをしていた。
そこではお互いをニックネームで呼びあっており、狙いは年齢関係なくフラットな関係性を作ることや、非日常のなかにいることで新しい自分の発見などにあった。
私はそれまでは下の名前を名乗っていたのだけど、同じロッジで生活する仲間は30人ほどいて、奇抜な名前ほど覚えやすいし、なによりその特別なキャラクターが名前につくことに憧れがあった。
そこで、中学生になり自我の芽生えと共に新しいニックネームをつけようと一念発起したのである。
しかし自分の新しいキャラクターを名付けるというのはどうにも気恥ずかしいものだ。偉大すぎても自虐過ぎてもいけない、ちょうどいいのがいい。そしてちょうどいい中に少しだけかっこいいとなおいい。
理想はちょうどよくかっこいいやつを偶然誰かが呼んでくれることだが、そんなラッキーは起こらなかったので私は自分でつけることにした。

ところで私はドラゴンボールが好きだ。
はっきり言って今でも悟空になりたい。
しかし、悟空は偉大すぎる。
幼稚園の頃に誰かが私を悟空と呼んでくれていたらよかったのに…

なにも浮かばない

外国っぽい名前とか、いいかも
と思うけど、自分でつける痛々しさに耐えられずなんとなくニックネームがつけられずにいると、同じキャンプに参加する仲間と集まって話す機会があったので、しめたとニックネームの相談をした。
もはや記憶も曖昧ではあるが、とっかかりもないと特にいいアイディアなんてものは浮かぶはずもなく、たまたま相談してた中に「ドラえもん」という人がいたのと、悟空になりたかった気持ちから、キャラクターの名前にするか、と特に好きでもないし似てもないけど藤子つながりでキテレツ大百科から、「コロ助」を拝借することになる。
それが「コロ」という名前がついたきっかけで、その後キャンプで「悟空」というニックネームの女の子に出会い「くぅー…!」と下唇を噛む思いをしたり、今は映画監督で活躍してる頃安祐良(ころやすゆうすけ)さんと、誰がなんといおうと「ころすけ」に相応しい人の存在を知り改名を悩んだりしたが、またそれは別の話。

大学の先輩に私を「コロ」と呼ぶ昔ながらの友達がいたこともあり、あっさり大学ではコロと呼ばれるようになる。

そんな折に舞台に誘われチラシに載せる名前どうします?と相談され、え、どゆこと?普通の名前じゃないの?なんで相談されてるんだ?と、今考えてみれば表記とか文字とか当たり前に確認するものだけど、当時よく意味のわかってなかった私は芸名というものの存在を知り、そんなに舞台を続ける気もなかったので、本名出して黒歴史になったらやだな、と思い「コロって呼ばれてるんだからコロでいいよ」と謎にカッコつけた言い方をしたと思う。
こだわりなんてありませんよ、みたいな。
その後やっぱり何度か改名のタイミングがくるんだけどなんだかんだここまで続いちゃったな。

今では本名の方が誰なのか自分でも不思議になることがある。
そんなこだわりはないけど、色んな気持ちが混ざった上ですっかり愛着がわいちゃった「コロ」という名前のエピソードでした。

本日はこの辺で。


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