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お父さん、キライって言わないで。
親に、「お前なんかキライだよ、あっち行け」って言われたら、小さな子はどうしたらいいんだろう。
今日、図書館で、そう言われてる子がいた。
書架のむこうで、姿は見えなかったけど。
お父さんが、イライラしながら「うるさいなあ」「お前なんかキライだ」「もう、あっち行けよ」って言うのが聞こえた。
子供はたぶん、男の子で、たぶん、4、5歳かなあ。
見えないし、声は聞こえなかった。
でも、顔を見なくても、その子がどれだけ悲しいか、傷ついたか、絶望的な気持ちか、雰囲気で伝わってきた。
お父さんには、済ませたい用事があったし、急いでたし、息子はいつも言うこと聞かないし、とか、いろんな事情があったと思うよ。
でも、キライだって、言わないでよ。
子供はそのあと、反抗的な態度をとって、何かやったんだろう。
お父さんはさらに、「なんでそういうことするんだよ」「恥ずかしい」って言った。
お父さん、あっち行けって言わないでよ。
いっしょにいさせてよ。
ちゃんと、見てよ。
わたしは、親になったことがない。
子育てがどれだけ苦労することなのか、親といえどひとりの人間だという主張、頭ではわかる。
でもわたしは、子供だったことがあるから、今でも両親の子供だから、子供の味方しちゃうんだ。
親になったことのない人は、たくさんいる。
でも、誰かの子供だったことがない人は、ひとりもいないはずなのに。
きれいごとかもしれないけどさ。
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