アメリカMBA受験を考える(GMATの壁が高すぎる件について)

アメリカのいわゆるm7等のトップスクールに行きたい、という方にGMATに関してお伝えしたいことは以下の2点です。

①アメリカMBAはGMATのハードルがえげつなく高い(し年々高くなってる)

②(帰国子女でない場合)一般的なGMAT対策で到達可能な点数は自分の受験遍歴で大体予想がつく


①について

身も蓋もない話をすると、私はGMAT760という強力な武器があったからこそなんとか某コーンフレーク校に拾ってもらえたという感じです。

こちら(https://find-mba.com/average-gmat-scores-at-mba-programs-worldwide)を見てもらうとわかるのですが、アメリカ(とインド)はいかんせんGMATのハードルが高いです。

ヨーロッパ・シンガポールのトップスクールであれば、670〜710の範囲に平均点が収まっている(しかもアドミンとの交渉等によりスコアについては比較的柔軟に対応してくれる、らしい)のに対し、アメリカ※はtop10で720、top15で690、top20で680、top30でも650(ほとんど670台以上)が各カテゴリにおけるミニマムの平均点となります。しかも、test waiverという奥の手やGRE・EAという比較的点数の出やすい?(未受験のため真偽不明)Alternativesがあるものの、平均点-30〜50ほどのlow10%スコアに引っかかっていても、よほどのバックグラウンドでない限りビハインドを覆すことが難しいという仕組み※のようです。逆に、平均点を超えていても、そんな人はいっぱいいるので、私のようにスピーキングに難あり等、他の要素に穴があれば普通に落ちますw

※定義が難しいのでus news ranking 2022の順位と平均点を援用

※GMATの点数とアメリカMBA合格率の考え方はこちらのブログ(https://www.gatorway.info/single-post/2019/03/27/gmatgre-mathの重要性)がしっくり来ました

例えば(MBA受験生としては)一般的な経歴を持つ受験生でGMAT650の場合、top20はワンチャン、top30がターゲット、となります。top30は日本人受験生にとっては馴染みのない学校が多く、いわゆるセーフティ校として受験する人も多い学校群という超主観的な印象※ですが、ヨーロッパ・アジアでGMAT650だと、全ての学校に挑戦でき、しかも人気校・有名校に割と受かる、というのが現実です。派遣元企業の要件上ヨーロッパ・アジアに出願しにくい私にとっては衝撃的で、1回目・2回目は670→660と点数が伸び悩んだため不公平に感じたのですが、文句を言っても始まらないので黙々とテスト対策を続けました。。

※進学された方を見下す意図は一切ありません


で、何が言いたいかというと、アメリカMBAに行きたい人は、兎にも角にもGMATであり、top10に行きたければ700が一般的な最低ライン、top20でも650ないと厳しい、そしてその点数をもってしても経歴・エッセイがそこそこ良くないとインタビューにすら呼ばれず、インタビュー呼ばれても1/3くらいの確率でしか合格しないので、とりあえず手当たり次第出したほうがいい、という言い古された当たり前のことです。はっきり言って、受験のコスパ的には、ヨーロッパ・アジアの方が少ない労力で世間的に見栄えのする学校に行ける確率が高いので、アメリカでないといけない物理的な制約がある、どこでもいいからとりあえずアメリカに行きたい、等の理由がなければ、GMATの点数が出てから志望校の狙いを定めることをオススメします。


②について

①にてアメリカtop10の場合GMAT700が最低ラインと言いましたが、帰国子女でない場合、かなり暴論ですが、GMATは1)センター5教科等、国語と数学を受験科目としてちゃんと勉強した、2)難関国立大学※(医歯薬獣医は大学名関係なし)の卒業生が必死のパッチでやって700届くかどうか、というのが現実です。やればやるほど(ある程度までは)伸びるTOEFL / IELTS とは違って、GMATはそんなに簡単に点数が伸びません※。

※センター5教科85%レベル

※前述ブログのこの記事(https://www.gatorway.info/single-post/2018/10/07/GMATGRESAT受験者へ)がしっくり来ました

Verbalは論理問題であり、文法等のテクニックだけでなくこれまでの受験等で培った国語力(読解力)がないと30を超えて40に近づけることが難しいです。さらに、Mathで49以上を取らないと700点に届かせるのが至難の業ですが、Math49は昔数学をちゃんとやった人でないと意外に取れません。難関私立大(文系)の卒業生がGMATスコアメイクにつまづくとしたらひとえに数学です。数学に時間を取られると、平均3〜6ヶ月と言われるGMAT勉強期間は飛躍的に伸びてしまいますし、そもそも、私を含め、数学は単語(と標準偏差)以外勉強不要のレベルでも、勉強開始から提出スコア獲得までは6ヶ月以上かかっている人が多いように感じました。

ですので、アメリカMBAを考えるなら、IELTS 7 / TOEFL 100(95でもいいかも)が出たらすぐにGMAT対策に移行して、数ヶ月みっちり勉強し、とりあえず受けてみてください。準備万端の状態で受け、当日トラブルもなければ、楽観視しても初回+100点がその後4回以内に辿り着ける限界かな、とこれも暴論ですが思います。

もしいわゆるトップスクールに行きたくて、初回600に届かず、700取るのが厳しいな、と感じたら、ヨーロッパ・アジアに目を向けるか、アメリカで志望校の幅を広げるかになりますが、アメリカは先述の通り、ランキングを下げても必要なGMATスコアはそれほど下がらないので、改めてハードルが高いなと思うわけです。


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