MBAランキングを考える3 (Top20編)
アメリカMBAのランキング考察、第三弾です。
データは2001年以降のUS news rankingの順位(Poets&Quants等の記事より発掘)としました。なお、1次情報ではないうえ手打ちのため誤データ掲載の可能性があること、また、すべてランキング順位の話であり、特定の学校を上げたり貶める意図はないことを、予めことわっておきます。
今回はTop 20について考察します。M7、T15以外でTop 20に複数回ランクインしている9校+UCLAの10校にTop 25を争う新旧5校を加えた、全15校の5年推移はこちらです。T15編に比べるとtop20のうち4校がほぼ固定、と意外に?安定していることが読み取れるかと思われます。
概観としては、「コーネル、カーネギーメロン、テキサスオースティン、ノースカロライナがTop20固定、UCLAの吸収、南カルフォルニアの急上昇により順位変動が激化。20位争いは南カルフォルニアの劇的復活により決着しつつあり、top25は入れ替わりが激しく変動が激しい」です。集団ごとに分けて見ていきます。
第一集団:16〜19位はメンバー固定だったが近年変化の兆し
2005年時点でのコーネル>カーネギー>テキサス>ノースカロライナという順位が2013年頃までほぼ固定されており、その後カーネギーが一時期順位を下げ集団後方に回るものの、2021年には4校間の順位は上述に回帰しています。2010年までにエモリーが第二集団に吸収された一方で、ここ数年の大躍進により南カリフォルニアが集団入りし、さらに前方をうかがう勢いを見せています。
コーネルはこの集団のトップを維持し、2010年代に続落したUCLAを抑え15位に浮上しているものの、前回記事の通り、T15の集団とはまだ距離があります。UCLA、南カルの吸収により15位争いと20位争いで集団が分化するのか、6校の乱戦状態となるのか、今後も目が離せません。
第二集団:熾烈な20位争いも南カルの離脱でtop20圏外に
2010年頃にエモリーを捕らえたことで20位争いを展開することになった第二集団ですが、以降、20位はエモリー→南カル→ワシントンセントルイス→エモリーと2015年まで目まぐるしく変化します。その後はエモリーが20位を堅持していたのですが、近年状況は一変しています。
元々、20位、21位が定位置だった南カルでしたが、2010年代に入ってオハイオやミネソタと同様急降下し、平均順位でも20位台後半、単年度では30位台の年も、という状況に陥ります。が、2017年以降、劇的な復活、ひいては更なる躍進を見せ、Top20圏内の第一集団入りし、第二集団はまとめて20位圏外に放り出される結果となっています。南カルは勢いをそのままに2021年ランキングではライバル校UCLAを抑えての16位に浮上しているので今後も大注目株です。
そしてtop25争いとなった第二集団ですが、エモリー、インディアナの固定メンバーに加え、徐々に順位をあげつつあるジョージタウンや、南カル以上の急上昇を見せtop20に食い込む勢いのワシントン(シアトル)等が集団入りする中で、オハイオ、ミネソタがまず集団から離され、そして一時期は20位に上がっていたワシントンセントルイスも、ここ数年で急落し、ついにヴァンダービルト、ライス等の続伸する南部勢に追い抜かれました。
今後はエモリー、ワシントン、ジョージタウン、インディアナの4校に加え、ヴァンダービルト、ライスの2校を加えた6校の大きな集団でtop25を形成しそうな気配です。(表外ですが、後続にはジョージアテック、フロリダ等に勢いが見られます)
以上、3回にわたってお送りしたランキング編でした。10年ひと昔、という話でもないですが、ある程度順位が固定化されているようで、割とダイナミックに変化している部分もあり、とても有意義な暇つぶしになりました。笑
ランキングが高ければいい、という単純な話ではないですが、あって邪魔になるものではないので、今後どこが上がりそうか、下がりそうかを考えて志望校選定するのもアリかもしれません。
お読みいただきありがとうございました。
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