(22/11/28)中途半端コンプレックス

ドラマなど全く見ない私が唯一楽しみにしている「エルピス」一週遅れでTVerで堪能。圧力に負けず長いものに巻かれず真実を追い求める姿。泣いた。(そういえば中学の時税金に関する作文書く授業があって「近所の道は意味なく一生工事してて税金の無駄遣いである」と書いたら担任に呼び出された 今なら炎上モノのエピソード)

流れでED曲のMirage Collectiveのレコーディング風景をYouTubeで見る。今の日本の音楽界をリードする旬な布陣の素晴らしい演奏。私は4歳から10年エレクトーンをやっていて好きだったけどロクに練習もせず級も講師になる直前までしか取っておらず辞めてしまった。

数年後、知人のバンドのキーボードが抜けるからとノリで入ったバンドが思いのほか本格的な活動で、同時に入学したグラフィックデザインの専門学校そっちのけで没頭した結果、専門で取れる資格をことごとく取らぬまま卒業。その後色々あってバンドを脱退したあと自分でグループを作るんだけど、一年足らずで辞めてしまった。

辞めるきっかけとなったのは、バンド時代から自分を気にかけてくれていたレコード会社の同部署トップの方が、私をしつこくスタッフとして誘ってくれていたこと。当時24歳になる私は、周りにいた30代40代で小さな箱でライブを続ける大人たちの背中を見てそうはなりたくないかも、音楽を生業にしなくていいやと思ったのだ。(そういう方々を否定するつもりは全くなく、むしろこの歳になって、好きなことができる場があり続けるって最高だなと思う)

結局その後入ったレコード会社でも、新人発掘部署の時もレーベルの時も大きな結果を出すことなく、30歳で体調を崩して辞めてしまった。六年いた。

直後に入った広告代理店のキャスティング業務も、クライアントと社内営業とタレント事務所との板挟みと社内の人間関係に耐えられず、その精神的苦痛と収入も見合わず二年半で辞めた。

小さい頃から運動が苦手で、ドッチボールでは当たりたくないしボールも取れないからずっと逃げ続けて最後の1人になるような人生。

そこそこ器用な自覚はあって、だからこそ努力ができない。努力の方向性が間違っていたのかもしれない。音楽やエンタメの側に居たかったけど居られなかった。続けられなかった。自分の判断で辞めたのだ。
努力だけが美しいとは思わない。努力を美徳とする感覚が当たり前でない世の中であれとも思う。本当に自分に合ってれば努力を努力と思わず続けられることもあるだろう。

色んなことをつまみ食いしてきたからこそ今の異業種(子育て支援)で発揮できているという部分ももちろんあるけれど、ずっと一つのことを続けて極めてそれを生業としている人が眩しすぎて、目を合わせて上手く話せない自分がいる。

オススメに出てきた藤井風「まつり」ライブ映像を何気なく観る。圧倒的才能を持つアーティスト、それを支えるスタッフ陣。私はそのどちらにもなれなかった。前者は確かに一握りだろうけど、後者にはなれたはずだ。でも私は誰かを支えるより自分の体調やメンタルや人生を優先した。そうせざるを得ない音楽業界の体質にも問題があったのかもしれない。
レコード会社に居て子持ちで普通に働いている女性は正直見たことがなかった。30代後半になると辞めるマネジメント会社の女性を何人も見た。復帰すると皆事務職になっている。そりゃそうだ、昼夜休日問わずフル稼働の現場に常に行けるわけがない。

やっぱ車の免許くらい取るかな。

(2022.11.28)

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