【レポート】第1回ディスカッション会

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コアコレでは10月半ばに都内でコレクティブのメンバーによる公演を予定しています。それに向けて各自の作品についての経過発表&ディスカッションを月1で行っています。(次回は8月26日)

さらにそのディスカッションを公開することでオーディエンス&パブリックに有機的に開かれたダンスのあり方を模索したいと思っています。

第1回ディスカッション会は7月29日に以下のコレクティブ・メンバーにアーティストの関川航平さんを加えた7人での話し合いになりました。発表したメンバー:黒沼千春、堀内恵、まつなみはる奈、片瀬あや、畠中真濃、辻たくや、小松菜々子
次回以降もオンライン参加&アーカイブで広く参加者を募っています。ご興味がある方は是非覗いてみてください。

こちらではオーディエンスの立場からアーカイブ視聴で参加してくれた神田裕子さんによるレポートをお届けします。

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Core Collectiveを運営する友人から誘われて、第1回ディスカッション会の感想を書くことになった。パフォーマンスど素人の私だが、彼女に誘われコンタクト・インプロヴィゼーションのワークショップに参加したことがあった。他者との身体の接触によってムーブメントをつくり出すという行為は初心者にはなかなかハードルが高く、ポジティブな印象ばかりではなかったことを思い出す。
そもそもパフォーマンスという振れ幅のある言葉を一義的に捉えることは難しいが、アスリートのような身体能力を持ち得た人々による表現という先入観が私にはいまだにある。しかしパフォーマンスには既存の制度に対する問題提起もあり、その文脈においては従来の身体芸術を揺るがす試みでもあったはずだ。
コアコレの活動目的の一つには、コレクティブと社会とのつながりを見いだすことがある。そういった意味で、メンバーの一人が最後に投げかけた「ダンス」に対する本質的な問いはその鍵となるように思えた。彼女は「ダンス」を「暗号」に喩えたのだが、パフォーマンスというカテゴリーの表現に一定の隔たりを感じている私のような者からすると、パフォーマンスの鑑賞体験は暗号解読に近いのかもしれない。まずはその暗号を受信すること。その機会としてアーティストとタイムリーに問いを共有することは有効に思えた。
ちょうど現代美術におけるテキストとイメージの関係について考えていたのだが、テキストが美術鑑賞の補助的手段(または視覚的な誘導)となるように、制作過程のブレストやプレゼンを事前に見聞きするのは、より質の高い作品鑑賞の手立てともなる。欲を言えば私のような視聴者の理解の一助として、試作を見てみたかったが、それは次回以降に期待できるのかもしれない。
ディスカッション全体を通しての感想として、コアコレがコミュニティ内でヒエラルキーをつくらず、オーディエンスにもひらいていこうとする意志に共感した。今回は仕事の都合でアーカイブを視聴しての感想となったが、オーディエンスがディスカッションに参加することもできるようだ。かつてパフォーマンスがオルタナティブ・スペースで発展したように、新しい価値を生むオルタナティブな活動としてCore Collectiveの今後の展開を楽しみにしている。


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