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020. 【実践編】暑熱順化トレーニング:Tim Crowleyコーチからのアドバイス

アマチュア・アスリートを指導する多くのコーチがCOREの効果を実感しており、そのうちの何人かにスポットを当てて、彼ら自身やアスリートへの活用法を紹介していきます。今回は、TC2コーチングのティム・クロウリー氏にお話を伺った。

COREセンサーを使い始めてどのくらいになりますか?

COREを導入してから8ヶ月になります。私が住んでいるフロリダ中部は1年のうち8ヶ月が高温多湿なので、このセンサーを暑熱順化・トレーニング管理・レースで活用しており、とても役に立つと実感しています。
COREのお陰で、より安全にトレーニングやレースができるようになったのは間違いないですね。

私の場合、レース後に何度かメディカルのお世話になり(うち1回は11リットルの点滴を受ける程の重症でした)、暑熱順化トレーニングに真剣に取り組むようになった、という背景があります。

この夏は記録的な猛暑でしたが、COREのおかげでフロリダに住んで11年で一番楽しんだ夏にもなりましたね。より良いトレーニングができ、毎日のリカバリーもしっかりと出来ています。

コーチとして35年以上活動してきて、また私自身がトライアスリートとして、体温をモニタリングすることは科学的トレーニングにおける最大のブレークスルーのひとつであると身に染みて感じています。

私の場合は、年齢を重ねても競争力を保ちたいので、よりスマートなトレーニングやレースの方法を学ぶ必要がある、と考えて取り組んでいます。

暑熱順化トレーニングはバイク?ラン?それとも両方?

サイクリングとランニングの両方で暑熱順化トレーニングを実施しています。例えば私の場合、夏にやるバイクでの長めのインターバルでは、いつもヒートトレーニングゾーンまで体温は上がります。それは30分以上ランニングでも同様です(体温がヒートゾーンに入る)。夏など気温が高い時期は、あえて室温を低くしてインドアセッションを実施することで、トレーニングの質を高く保つ工夫もしています。

暑熱順化トレーニングを含むトレーニング詳細を教えて下さい

1.    ラン+バイク(実走):私の場合、60分ほどのランのスピードワークアウトだと、だいたい30分くらいはヒートゾーンに入ります。ランの後に30分ほどの休憩を取りますが、休憩中も体温は高めに留まっている事がよくあります。
その後、60~90分の中強度なライドを行い、ヒートトレーニングゾーンに保つことで、うまくいけば2時間近くヒートトレーニングゾーンでトレーニングする事が出来ます。

2.    インドアバイク:室内でトレーニングする事のメリットは、環境を整えやすい事にあります。
私は(室温にもよりますが)厚着して扇風機は使わなければ、25~30分でゆっくりとヒートトレーニングゾーンまで体温が上昇していきます。
ヒートトレーニングゾーンに入ったら、必要に応じてウェアを脱いだり扇風機を使うようにします。そうする事で自分のヒートゾーンに留まったままワークアウトを終わらせることが出来ます(体温が上がり続ける事を避ける)。

3.    トレッドミル:これはバイク(実走)に少し似ていて、まず20分ほど(外で)ウォームアップを行い、自分のヒートトレーニングゾーンまで体温を上げます。その後、トレッドミルでインターバルをやります。室温設定やウェアを工夫して、体温の上がり過ぎには注意しています(室内のメリットを使って空調や扇風機をうまく使う)。※逆に冬など寒い時期なら厚着するなどの工夫も必要

ワークアウト中の”暑熱負荷インデックス”は?

夏のランニングでの“暑熱負荷インデックス”は3~4、バイクでは2~3ですね。湿度が高く蒸し暑い天候のときは、ランで6.7になったこともあり、これはきつかったです。バイクで2時間のインターバルセッションを実施して5.15になったこともあります。

深部温度はどのように上昇していきますか?

フロリダの夏は、体温を上げる事はとても簡単です。むしろヒートトレーニングゾーン内に留まる方が難しい。私は、フロリダに移り住むまで、人生の大半を寒い気候で過ごしてきたので、冬用防寒具の有効な使い方は分かっているつもりです。気温が低い日や室内セッションでは体温を上げる為にウェアを上手く使っています。

それと、私の自宅のガレージ兼トレーニングエリアは断熱材が入っているので、年間を通して22~25℃に保たれています。そのため、ちょっとしたウェアの工夫だけで十分に体温を上げる事が出来るのです。

暑熱セッションを延長するために、入浴やサウナを使うことはありますか?

私にとって浴槽は、私が持っているトレーニング用具の中で最も重要なモノの一つと感じています。リカバリーの一環として、また睡眠の質を高めるために基本的には毎日入浴しています。

また、高負荷・短時間のランニングセッションやロングランなどで暑熱負荷が足りない場合、週に2~3回はセッション後に入浴しています。40℃くらいのお湯に10~15分ほど浸かって体温を少しだけ上げます。トレーニングと入浴を上手く組み合わせる事でヒートトレーニングゾーンの滞在時間を合計90分ほどまで引き延ばせます。※あくまでトレーニングの後に入浴する!

ちなみに入浴中はCOREは装着せず、入浴後に装着して体温をモニタリングしています。

ほかに何かアドバイスはありますか?

暑熱順化トレーニングは、水温が高いときのスイム(温かいプールやオープンウォーター)にも役立つことが分かりました。例えば私の場合、長い距離を泳いだり、高強度で泳いでもオーバーヒートしなくなりました。

また、暑いランニングの前に500~600mlの電解質ドリンクを飲んだり、ランニング中にスラッシードリンクをペットボトルに入れて飲んだりすると、体温の急激上昇を避ける事が出来ることも確認できました。

本日はありがとうございました。

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関連リンク

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