50万円のおやつ

本村です、
 
50万円のスナック菓子があります。
 
1粒で50万円です。
 
ポテトチップスと同じ、スーパーで
普通にゲットできるお菓子です。
 
それが50万円で販売されています。
 
中には1300万円を超えたケースも
記録されているそうです。(売却済)
 
ちょっと理解できないと思います。
 
理解できないのですが、なぜか”普通”の
お菓子がトンデモナイ価値になりました。
 
今日はこのカラクリについて話します。
 
ちなみに、今日の話は少し難しいです。
 
ビジネスに対して固定概念があると
ちょっと頭が混乱すると思います。
 
特に勉強熱心な人ほど理解に苦しむ
可能性が高いです。
 
一般論で考えてみてください。
 
スナック菓子が50万円の価値を持つ、
どう考えても非常識だと思います。
 
一般論ではあり得ない事です。
 
スーパーマーケットで売られている
お菓子1粒が50万円なんて、かなり
狂っています。
 
その狂った話を今からするのです。
 
つまり、常識ではあり得ない事を
達成しようとしています。
 
その為には、まず常識的な考えを
超えなければなりません。
 
普通に考えていては見えてきません。
 
『問題が発生した時の思考のままでは
その問題は解決できない』
 
という感じのメッセージがあります。
 
アインシュタインさんが言った
言葉だったと思います。
 
思考を一段、上げる必要があります。
 
特にライバルが多い業界で働く人ほど
思考回路を変える必要があります。
 
視点をワンランク上げない限り今の
問題がクリアされる事はありません。
 
その事を理解した上で聞いて下さい。
 
良いですか?
 

 
あなたは『チートス』というお菓子を
知っていますか?
 
私はあまりお菓子を食べないので
知らないのですが、チーズ味の
細長い形をしたお菓子のようです。
 
さっき話した50万円のお菓子は
この『チートス』です。
 
で、
 
チートスというお菓子なのですが
製品を作る過程で、形状がすべて
バラバラになるそうです。
 
基本は細長い形状をしています。
 
しかし、中には少し凹凸ができたり、
『く』の字になったり、『Y』のように
枝分かれしたり、様々なフォルムで
袋に詰められて出荷されます。
 
そして、その中でスーパーマンのような
『チートス』が見つかりました。
 
スーパーマンが空を飛んでいるような
形をしています。
 
それが5000ドルで出品されてます。
 
私の知っている段階ではまだ買い手は
見つかっていません。
 
が、過去には1300万円を超える
チートスが実際に売れたそうです。
 
ゴリラの形をしたチートスで、
TVでも放送されていたそうです。
 
あなたも見た事があるかもしれません。
 
つまり、流れとしてはこうです。
 
1:お菓子を販売していた。
2:お菓子の形はランダム。
3:プレミア価格の形が出現。
4:5000ドルで出品された。
 
そして、ポイントは3番です。
 
『プレミア価格の形』
 
実は裏ではマーケティングが緻密に
行われていました。
 
まず、チートスはインターネット上で
博物館のようなサイトを運営しました。
 
チートス専門の美術館を想像して下さい。
 
チートスの形はバラバラです。
 
制作過程の都合上、
同じ形は作れない商品でした。
 
なので興味深い姿形をしたチートスを
ウェブ上で紹介する事にしたのです。
 
「キリンに似たチートスだよ」
「こっちは人の横顔だよ」
「こっちはタツノオトシゴです。」
 
という風に展覧会を開きました。
 
ただし、面白い形をしたチートスは
工場の社員が集めるのではありません。
 
チートスを買ったお客さんです。
 
FacebookやGoogleやInstagramと
同じ方法を使いました。
 
FacebookやGoogleには膨大な数の
記事がアップされてます。
 
Instagramにも日々、写真が
アップロードされ続けています。
 
面白い記事、勉強になる記事、感動する
写真、楽しい写真、エロい写真、全てが
集まっています。
 
困った事があればグーグル検索すれば
記事が出てきて教えてくれます。
 
検索結果として、あなたにオススメの
記事が上から順に紹介されます。
 
でも、記事を書いたのはグーグルでは
ありません。
 
何億個あるか分かりませんが1つ1つ
Googleの社員が記事を書いた訳では
ないのです。
 
書いたのは利用者である私たちです。
 
Googleを利用する私たちがブログで
記事を書いて、それを他の人が見る。
 
こういうカラクリになっています。
 
ちなみに、この手法は今トレンドで
AirbnbやUberなどが取り組んでます。
 
利用者が商品を提供し、別の利用者が
使ってお金を払うサイクルです。
 
Airbnbは土地を持たずに宿泊事業で
世界最大規模となりました。
 
Uberは車を所有せずに世界で最も
巨大なタクシー会社となりました。
 
Googleだって、Facebookだって、
Instagramだって、YouTubeだって、
みんなそうです。
 
彼ら自身はコンテンツを持ってません。
 
そこに集まる人々がコンテンツを作り、
他の人が参加して成り立っています。
 
チートスも同じ方法を使いました。
 
チートスを購入してくれた人々に
面白い形のチートスを集めるよう
協力してもらったのです。
 
キリンとか、靴とか、バイクとか、
タツノオトシゴとか、カメとか。。
 
色んな形を写真で募集しました。
 
もちろん、
 
「面白い形があれば写真を送ってね!
待ってるよ!」
 
だけでは、誰も送ってくれません。
 
なので、賞金も用意しました。
 
週毎に最も面白かったチートスを発表し
賞金を贈る事にしたのです。
 
おかげで13万件近くの応募がこれまで
あったそうです。
 
この時点で、チートスの売上げは
過去最高となっていたそうです。
 
そして、5000ドルです。
 
スーパーマンが出現しました。
 
さらにゴリラ形のチートスが
1300万円で取引きされたのでした。
 
1:お菓子を販売していた。
2:お菓子の形はランダム。
3:プレミア価格の形が出現。
4:5000ドルで出品された。
 
2-3の間に、このような過程があり
その結果『プレミア価値』となりました。
 
で、
 
チートスの戦略から学ぶべき事は
大きく分けて3つあります。
 
細かい事を言い出せばもっとあります。
 
たぶん、ビックリするくらい細かい
テクニックがあるのだと思います。
 
しかし、レバレッジが効いていて私たち
スモールビジネスマンが参考になるのは
3つです。
 
この3つの心理テクニックが消費者の
購買意欲を突き動かしたのです。
 
それを今からシェアします。
 
今日は短くすると決めてますので
手短に行きます!
 
全て金儲けに直結する心理学です。
 
=========================
1:お客さんを参加させる
=========================
 
人は参加する事で価値を高く持つ
傾向があります。
 
商品に対して特別意識を持ちます。
 
そして、そこに参加する事で奇妙な
責任感と義務感を持ち始めます。
 
応援したくなるのです。
 
チートス、Facebook、Google、
Instagram、みんな参加させてます。
 
一人ぼっちにさせてないのです。
 
みんな、自分を表現させてます。
 
お客さんのオリジナルを後押し、
応援しています。
 
だから、多くの人が集まってきます。
 
この顧客心理を忘れないでください。
 
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2:ギャンブル要素を入れる
=========================
 
私たちはギャンブルが好きです。
 
『一か八か』にドキドキします。
 
「私はギャンブルなんて大嫌いです」
 
という人も多いと思います。
 
私もギャンブルは嫌いです。
 
宝くじも買いませんし、パチンコも
競馬もボートレースもしません。
 
が、
 
それでも心の奥底の野生の本能は
スリルを求めてしまいます。
 
平凡でスリルのない生活なんて退屈で
死んでしまいたくなります。
 
つまらないのです。
 
当たるか当たらないか、という
時間を心待ちにしてしまうのです。
 
身の安全が保障された範囲であれば
人はドキドキ、ワクワクする感情を
求める習性を持っています。
 
『チートス』はこの感情を上手く
利用する事に成功しました。
 
チートスの形状は不規則です。
 
決まった形はしていませんし、特定の
フォルムを狙う事も不可能です。
 
袋を開けて、手にとって色んな角度で
観察して、初めて面白い形がある事を
発見できます。
 
ポイントは『発見』です。
 
参加させて、探させて、発見させます。
 
そして、この過程はすべて偶然です。
 
偶然だから人はドキドキ楽しい気分で
嬉しくなるのです。
 
失敗したら、また買いたくなるのです。
 
何度も繰り返してしまうのです。
 
次こそは当たる気がしてくるのです。
 
その結果、リピートされて売上げが
グングン伸びるというカラクリです。
 
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3:争わせる
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対抗心は極めて強力な起爆剤です。
 
社員を育てる時、専門スキルを磨く時、
常に効果的な結果を与えてくれます。
 
人は、みんな「勝ちたい」という
欲求を持っています。
 
認めて欲しいし、負けたくないのです。
 
どうして、みなInstagramに写真を
アップロードするのか?
 
認めて欲しいからです。
 
自分をアピールしたいからです。
 
そして、自分が優れているという事を
感じたいのです。
 
どうしてSEOを必死に行うのか?
 
一番上のポジションが欲しいからです。
 
SEOで効果的なのは、実は複合された
検索キーワードで検索回数も少ない
ニッチポジションが一番、儲かります。
 
でも、目立つ場所に自分のサイトが
表示される事を諦められないのです。
 
無意識のうちに収入よりも、
見栄を優先してしまいます。
 
チートスの募集ウェブページでは
賞金が用意されていました。
 
実は、賞金はきっかけに過ぎません。
 
本当に人を惹きつけたのは、
 
『自分の応募した写真が認められる。
他人よりも評価される。』
 
という人間心理の部分です。
 
しかも、毎週チャンスが訪れます。
 
もう、逃げられません。
 
さらにギャンブルの要素が影響し
あと1袋だけ、が永遠と続くのです。
 
恐ろしいテクニックです。
 

 
もちろん他にも成功の要素はたくさん
あったと思います。
 
味が美味しいとか、サイトがお洒落とか、
パッケージが格好良いとか、挙げれば
キリがないと思います。
 
しかし、
 
その中でも特にレバレッジの効いた
コンセプトがこの3つだと思います。
 
飲食店ビジネスを行っていたら料理を
お客さんに完成させてもらいます。
 
これで1つ目の条件はクリアできます。
 
さらに、落としたり、潰したりして
完成作品に『運』の要素があれば
2つ目のコンセプトもクリアです。
 
最後に完成した料理をインスタなどで
発表すれば3つ目も達成できます。
 
これだけで、他の『味だけ』の
飲食店と差別化する事ができます。
 
つまり、どんな市場でも考え方次第で
参考にできる、と私は考えます。
 
誰か昔の偉い人の言葉に、
 
『自分以外は全て師だと思え』
 
みたいなメッセージがあったと
思います。
 
すごく良い言葉だと思います。
 
昆虫もタンポポもキリンも、自分以外
みな師であり学ぶ対象なのです。
 
たまには本を棚に戻して、外へ行き
肌で学習する時間を持つのも良いかも
しれませんね!
 
今日はここまで、です。
 
ちょっと金儲けのテーマが続きました。
 
次回は少し違う話をしたいですね。
 
それでは、今日も1日お疲れ様でした。
 
おやすみー!
 
本村涼
 
追伸:
聞きたい事、悪口、感じた事があれば
連絡ください。
 
すべて本村が目を通して返信します。
(悪口は返信しないよ!)
 
krcopymind@gmail.com
 
追伸2:
今日の話に出たチートスのサイトは
下に載せておくよ。

興味があれば参考にしてね。

チートスミュージアム(英語圏):
https://www.cheetosmuseum.ca
 
チートスコンテスト(日本):
http://www.fritolay.co.jp/campaign/cheetos2018/
 
スーパーマンのチートス:
https://i.ebayimg.com/images/g/leQAAOSwnQhXoBZg/s-l1600.jpg

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