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敗北

現在、友人と飲みに行った帰り。高校時代の友人(あだ名はキヨハラ)が、同じく高校の時に仲の良かった奴を紹介してくれた。俺と彼は高校時代にほとんど面識がなかったけれど、お互い名前くらいは知っている関係だったため、長年のしこりが解消できるいい機会だった。

自分にとっての総評。初対面の交流は無事クリア。悪い印象は与えなかっただろうし、つまらない奴と思われない為にできるだけ冗談を盛り込んだつもり。趣味やひねくれ度合いも近かったため、全く別世界の人間ではないことがわかった。そして、楽しかったからまた飲みに行きたいと思えた。

ただ一つだけ、自分の中で「長く関われるかどうか」の条件に沿っているか分からないところがあった。それは、「自分の土俵での勝負だけに拘っているところ」。

ボードゲームとかテレビゲームとかが揃っているバーに連れて行ってくれたのだけど、一緒にやったのは2人が馴染みのあるボードゲームや格ゲーくらいだった。そもそも勝負事が好きではない俺にとって勝ち負けを決めるような遊びはあまり長くできるようなモノではないし、ましてや相手が得意なゲームで遊ぶのなんて、相手の思惑にまんまとハマっている感じしかしない。彼はそんな気なんて無かったのだろうけど、捻くれ者で天邪鬼な俺にとって、そういった流れは心から楽しめるものではなかった。

過去の俺にありがちな展開は、相手の流れに乗れるだけ乗って、ほとぼりが覚めてから相手を突き放すようなシナリオ。面と向かって言うわけではなくても、どこかで相手を失望させるような振る舞いをしてしまう。それはもちろん相手を陥れるためではなく、自分の身を守るための行動。

自分自身が人を楽しませられるような能力を持っていない以上、毎回向こうのペースに進んで乗ることで、ムードが崩されないようにすることしかできない。だからと言って、ずっとそういう立場でいることには正直嫌気がさしてしまう。だから、俺が長年仲良くできるような奴は、自分のペースで相手を支配しようとするのではなく、面白くなくてもずっと他愛ない話をしてくれるやつの方が圧倒的に多い。彼女もそういう人だから、毎日一緒に過ごすことができている。こういう人は経験上、ほんのひと握りしかいない。

そんな俺だから、今日会った「友人の友人」とは、今後俺が上手く付き合っていけるのかとても不安である。嫌なら関わらなければいいんだけどね…楽しかったのは本当だし、相手が悪い奴なわけではないから、こういう時にどうしても考えてしまうのだ。

しかし、自分を曝け出せるかどうかは別。少なくとも今回は心を開けた気にはなれなかったから、解散して一人になった瞬間に自分が作った歌を自分で聴いて、自分の尊厳を保つことに必死になっている。

まあ…彼女ですら自分の思っていることのすべてを話せているわけではないのだ。ムッツリな俺は人に依らずそういう振る舞いをしてしまうのが事実である。我ながら生きづらい世の中だ。こうなってしまっている俺も同じ不安を抱いている人たちも、いつか報われる世界が来たらいいのになと思うし、そういう人たちが今後報われるように、俺は常日頃頭を悩ませているのだ。

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