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1993 October in Korea. 仁寿峰

「そいつぁ、ロイヤル・ロビンスがな、‥」
韓国、仁寿峰、白雲山荘(ペグンサンジャン)での夜。
蝋燭での灯の中で、Iさんが熱く語ってくれる。
ご縁があって、プロガイドのIさんのクライミングツアーに沖縄から参加させて頂いた。
Iさんは、彼の地、韓国では非常に尊敬されていて、たくさんの岳友、攀友、はたまた、企業のお偉い様まで昨晩の飲み会の席ではお越ししていた。全く「ついで」の存在でしかない私もとても良くして頂き万感の思いが今でも忘れられないです。
そして、目的地の仁寿峰に入り、前夜泊は白雲荘。夕食後、Iさんのクライミング談義が始まる。私にとって談義というより至高のクライミング講義。
その夜は、岩と雪160号の記事、「マウント・プロボシス南東壁オールフリー The Great Canadian Knife」の話でIさんの熱い語り感想がたまらなかった記憶が今でも良く蘇ります。


カナダ アンクライマブルズ圏谷プロボシスでのロイヤル・ロビンスのピトンの軌跡を追って、ドット・スキナーとポール・ピアナが、フリー化、The Great Canadian Knife ほど壮大な事は出来やしないし、これからも出来ないと思っているけど、少なからずIさんの熱い「講義」で少なからず私のクライミング活動、生き方に影響している。

そして、南国の島に似つかわしくない灰色の空の下、人の寄り付かない僻所のクライミングエリアで水平を見ている様な時に限って、何時も白雲山荘の夜とIさんの熱い語りを思い出すのです。

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