研究って何?

もうすぐ卒業する修士2年の先輩についに聞いてしまった。「先輩にとって、研究って何?」と。

すぐに答えてくれなかった。

すると、「内向の人が生きやすい社会を作りたいと思って、学部を卒業して院に入ったじゃないですか」と言ったら、「よく覚えてくれたね」と言われた。

「研究生活が短いけど、感じたのは、研究だと、研究の内容を聞いてくれるのは研究者だけ。LINEニュースになれないし。言いたいことをちゃんと出したいなら、やっぱり大きい会社に入って、ニュースに流されるようなことをすることだ。自分もそういうのを読んだから」と、そして「大学院に入ったのは、当時就活が手遅れていたから、院に入る道しかなかったから」と続いて言ってくれた。

それを聞いた私は、正直に言えば、がっかりした。「あ~、院に入ったのは研究したいからじゃないんだ。就職するための手段なんだ」と感じさせられたからだ。

去年予備校の説明会に参加した時のことを思い出した。「大学院に入る理由はなんですか」という質問に対して、近くの席に座っていた社会人っぽい男性は、「昇進したいから」と答えたのを覚えている。その時から、「え~、みんな大学院に入りたいのは研究したいばかりじゃないんだ」と初めて知った。

それにもかかわらず、先輩の答えにがっかりした。

自分はどうかな?

私が大学院に入ったのは、人や国、人生に対する疑問の答えを見つけるためだった。何をしたいのか、何のために生まれたのか、全くわからなかった。その答えが見つからない限り生きていけないぐらい感じていた自分にとっては、大学院に入って研究する道しかなかった。だから、就職したくないから研究の方を選んだと言っている研究室の人々のことは最初はよく理解できなかった。

しかし少し前に「○さんは、修論研究を通して何か知りたいことがあるでしょう」「はい」「それは研究とはまったく別。研究は仕事、研究したのを論文にして、この学校を卒業するのが目的」と指導教官に言われたことがある。

残り一年、現実にぶつかりながら、理想に近い研究がどれほどできるのか?

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