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DAY 30 まだ暑いようなすこし寒いような日


⒈ 生きる美術
ジェームズ・フィッツロイ『ガメ・オベールの日本語練習帳』青土社 2021年
「日本の古典(5)鮎川信夫」

「『見知らぬ美しい少年が
わたしの母の手をひいて
明るい海岸のボートへと連れさっていった』

というのは鮎川信夫が1948年に書いた『秋のオード』の初めの3行である。」

 『鮎川信夫著作集Ⅰ 詩集』をめでたくヤフオクで手に入れたので、この節に引用されているほとんどの詩を、ゆっくり読みながら、また本文にもどって読み進めることができた。

「詩人にとっては詩に没頭すればするだけ、生活はできなくなってゆくわけで、それでも、良い詩を書くために午後の約束も放擲して詩人が机に向かうのは、うまく言葉が言葉をつれてきて、自律的に運動をはじめ、自分の思考というようなものは停止して、魂が中空に浮かんで危ういバランスを保ちながら浮遊しているような、あの感覚がなくなれば退屈で死んでしまうしかない、と感じるからである。」

 詩人の言葉
「詩が如何に精神を定着しようと試みても、言葉は一連の生のヴィジョンをひきつれてひとりで先へ進む。しかし、詩人が一句で躓づけば、その詩全体が動揺を受ける。一語の置きかえは、その詩全体に影響を及ぼす。秩序ある再組織とか定着とか言っても容易な業ではない。それが単に芸術的価値にのみ繋がる問題ならばそれほど大したことではないが、詩人の全存在を左右するすべての価値の問題になってくるのである。ぐらつかない言葉によって存在を満たすことーおそらく行為の現実から言葉の現実へうつる時に、詩の魔術が働くのである。もし我々が言葉の秩序を持たなかったならば、流動的な生の中心を見つめることは出来ないであろう。」(『鮎川信夫著作集Ⅰ詩集』P37)

 読んだものをどうしても色と形にできなかったので、「橋上の人」を利き手と反対の手で書写してみた。利き手を使わない方法は、絵で行き詰まるときによく使う方法で、よく使っていたために、不器用な自分にしては巧みになってしまい、せっかく利き手をはずす意味があまりなくなってしまった。
 それでもゆっくり言葉を追うのには役に立つ。




⒉ 核
『ニュートン別冊 周期表 完全図解118元素事典』ニュートンプレス 2022年「イントロダクション」

原子の中で、電子がどの辺にいるのか、という話でつまづく。

この辺にいるゾーンは殻と呼ばれ、一番内側がK殻(Kから始まっているのは、アルファベットの真ん中だからということらしい。もっと内側があったとき対策)で、電子の定員は2個。続いて、L殻ー8個、M殻ー18個、N殻ー32個。ところが必ず定員いっぱいまで入るのではなくて、途中で次の殻に移ることがあるという。ページをめくり、表記されているものからメモして、いくつか推測で書いてみる。

 なんだかつじつまが合わない。
 調べてみたら、電子軌道ということでなにやら蜂みたいな図が登場する。こんな話、昔習ったような気もするし、ぼんやり霧の中。
 次回は電子軌道について学ぶ。


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