著作権Q&A~罰則~

Q 著作権侵害罪は親告罪だとききました。本当ですか?

A 本当です。ただし、一部、「非親告罪」になる場合があります。

著作権侵害罪は、著作権法上、権利者の「告訴がなければ公訴を提起することができない」とされています(123条1項)。つまり、「親告罪」です。ところが、著作権侵害罪のうち、次の3つのすべての要件が整うと、「非親告罪」、つまり、権利者の「告訴がなくとも公訴を提起することができる」という扱いになります(同条2項3項参照)。
<非親告罪となるための要件>
(注) 以下「有償著作物等」とは、権利者が有償で公衆に提供・提示している著作物等のことです。
① 目的性の要件:侵害者が,侵害行為の対価として財産上の利益を得る目的又は有償著作物等の販売等により権利者の得ることが見込まれる利益を害する目的を有していること。
② 原作性の要件:有償著作物等を「原作のまま」公衆譲渡若しくは公衆送信する侵害行為又はこれらの行為のために有償著作物等を複製する侵害行為であること。
③ 不当性の要件:有償著作物等の提供又は提示により権利者の得ることが見込まれる「利益が不当に害されることとなる場合」であること。
 
例えば、「販売中の漫画や小説の海賊版を販売する行為」や、「映画の海賊版をネット配信する行為」などについては、非親告罪となるものと解されます。一方、「漫画等の同人誌をコミケで販売する行為」や、「漫画のパロディをブログに投稿する行為」などについては、非親告罪とならない(つまり、親告罪である)と解されます。

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