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著作権コンサルタントをしています。クリエーターの卵から世界的に著名なアーティストまで、コンテンツビジネスや著作権にかかわる法律問題について、グローバルに支援しています。 カネダ著作権事務所 http://www.kls-law.org/

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条文解説【21条(複製権)/第2条(定義)第1項第15号】

著作権法第21条(複製権):   「著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。」   著作権法第2条(定義)第1項第15号:   「1 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 (ⅹⅴ) 複製 印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。 イ 脚本その他これに類する演劇用の著作物 当該著作物の上演、放送又は有線放送を録音し、又は録画すること

    • 判例セレクション~言語著作物~

      手紙の著作物性を認めた事例 ▶平成11年10月18日東京地方裁判所[平成10(ワ)8761]▶平成12年05月23日東京高等裁判所[平成11(ネ)5631] 2 著作権法上保護の対象となる著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものであることを要し、これをもって足りる。 本件各手紙は、いずれも、被告Eとの往復書簡であり、特定の者に宛てられ、特定の者を読み手として書かれたものであって、不特定多数の読者を想定した文芸作品とは

      • 判例セレクション~著作物~

        ”額に汗”の法理 ▶平成26年12月24日 東京地方裁判所[平成26(ワ)4088] 思想又は感情の創作的な表現というためには,厳密な意味で独創性が発揮されたものであることは必要ではなく,作者の何らかの個性が表現されたもので足りると解すべきであるが,事実若しくは事件それ自体など思想又は感情でない部分,思想,感情若しくはアイデアなど表現でない部分又は表現であっても他の表現をする余地が小さく若しくは表現がありふれたものであるなど表現上の創作性がない部分は,いかに思想への想到若し

        • 判例セレクション~言語著作物~

          新聞記事は著作物か ▶平成6年02月18日東京地方裁判所[平成4(ワ)2085] 客観的な事実を素材とする新聞記事であっても、収集した素材の中からの記事に盛り込む事項の選択と、その配列、組み立て、その文章表現の技法は多様な選択、構成、表現が可能であり、新聞記事の著作者は、収集した素材の中から、一定の観点と判断基準に基づいて、記事の盛り込む事項を選択し、構成、表現するのであり、著作物といいうる程の内容を含む記事であれば直接の文章表現上は客観的報道であっても、選択された素材の内

        条文解説【21条(複製権)/第2条(定義)第1項第15号】

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          判例セレクション~言語著作物~

          書籍のタイトルは言語著作物か ▶平成20年10月08日大阪高等裁判所[平成20(ネ)1700] 「時効」は時効に関する法律問題を論じる際に不可避の法令用語であり,「管理」は日常よく使用されて民法上も用いられている用語であり,「時効の管理」という表現はこの2語の間に助詞である「の」を挟んで組み合わせた僅か5文字の表現であり,控訴人書籍の発刊以前から時効に関する法律問題を論じる際に「消滅時効の管理」・「時効管理」といった表現が用いられていたものであるから,「時効の管理」はこれを

          判例セレクション~言語著作物~

          判例セレクション~著作物~

          著作物に求められる「創作性」とは ▶平成14年10月29日東京高等裁判所[平成14(ネ)2887] 著作物と認めるためのものとして要求すべき「創作性」の程度については,例えば,これを独創性ないし創造性があることというように高度のものとして解釈すると,著作権による保護の範囲を不当に限定することになりかねず,表現の保護のために不十分であり,さらに,創作性の程度は,正確な客観的判定には極めてなじみにくいものであるから,必要な程度に達しているか否かにつき,判断者によって判断が分かれ

          判例セレクション~著作物~

          著作権Q&A~著作物~

          {Q} 外国人の作品でもわが国の著作権法によって保護されますか? A ほぼすべての国の国民の作品(著作物)が日本国内で保護されると考えて差し支えありません。 外国人(日本国籍を有しない者)の著作物については、それが、①最初に日本国内で発行(相当数のコピーが作成頒布)された場合[発行地条件]、②最初に日本国外において発行されたが、その発行の日から30日以内に日本国内で発行された場合[発行地条件]、さらに、③条約(主要なものとして、ベルヌ条約)によりわが国が保護の義務を負う著

          著作権Q&A~著作物~

          判例セレクション~著作物~

          歴史観は著作物か ▶平成28年6月29日知的財産高等裁判所[平成27(ネ)10042] 歴史上の事実や歴史上の人物に関する事実は,単なる事実にすぎないから,著作権法の保護の対象とならず,また,歴史上の事実等についての見解や歴史観といったものも,それ自体は思想又はアイデアであるから,同様に著作権法の保護の対象とはならないというべきである。他方,歴史上の事実又はそれについての見解や歴史観をその具体的記述において創作的に表現したものについては,著作物性が肯定されることがあり,事実

          判例セレクション~著作物~

          キーワード~アメリカの著作権制度~

          《重要判例》Baker v. Selden, 101 U.S. 99(1879)~”idea-expression dichotomy”(アイディア-表現二分法)に関するリーディングケース~   ▷ 事案の概要   本件は、「独自の簿記システム」(a peculiar system of bookkeeping)を解説することを目的とした一連の書籍に関して著作権の取得を主張するSelden側が、当該著作権の侵害を理由として、Baker(被告)を訴えた事案です。 原告サイド(S

          キーワード~アメリカの著作権制度~

          キーワード~アメリカの著作権制度~

          『アメリカ連邦著作権法における”派生的著作物”とは』   “Derivative work”とは   米国著作権法の定義規定(101条)には、”derivative work”について、次のように定義しています:   「派生的著作物」とは、翻訳、編曲、ドラマ化[脚色化]、小説化、映画化、録音、美術複製、簡約化[短縮]、要約、又はその他著作物が改作され、変形され、若しくは翻案された形式のように、1以上の既存の著作物を基礎とする著作物をいう。全体として著作者の作成に係る創作的な著

          キーワード~アメリカの著作権制度~

          「写真撮影」の契約書式

          「写真撮影」の契約書式   《対象》 ▶ここでは、「写真の撮影を依頼する/される」場合の著作権に関する契約書について説明します。例えば、パンフレットに掲載する写真の撮影をフリーカメラマンに依頼する場合を想定します   [契約書例(文化庁が公開しているひな形)]   ▶収⼊印紙の貼付が必要な場合にはこの場所に貼付してください。   契 約 書 __________(以下「甲」という。)と__________(以下「⼄」という。)とは、写真撮影業務の委託に関し、以下のとおり契約を

          「写真撮影」の契約書式

          著作権Q&A~著作物~

          {Q} 標語やスローガン、キャッチフレーズは、著作物に当たりますか? A 一概にYes/Noとは言えませんが、裁判例は、ほとんどその著作物性を否定しています。 標語やスローガン、キャッチフレーズは、一般的に、語数が少ないものが多く、創作性の観点から、ありふれた表現だとして、その著作物性を否定する裁判例が多いように思います。もっとも、標語やスローガン、キャッチフレーズであればすべて一律にその著作物が否認されるわけではなく、裁判例の中には、「スローガン」(注)の著作物性を認定

          著作権Q&A~著作物~

          判例セレクション~著作物~

          「キャラクター」は著作物か ▶平成9年7月17日 最高裁判所第一小法廷[平成4(オ)1443] 著作権法上の著作物は、「思想又は感情を創作的に表現したもの」(同法2条1項1号)とされており、一定の名称、容貌、役割等の特徴を有する登場人物が反復して描かれている一話完結形式の連載漫画においては、当該登場人物が描かれた各回の漫画それぞれが著作物に当たり、具体的な漫画を離れ、右登場人物のいわゆるキャラクターをもって著作物ということはできない。けだし、キャラクターといわれるものは、漫

          判例セレクション~著作物~

          著作権Q&A~著作物~

          {Q} 著作物の具体例を教えてください。 A 承知しました。 著作権法には、「著作物」を「例示」する規定(10条)があります。それによれば、著作物をその表現形式(表現手段)によって9つのカテゴリーに類別して例示しています。ここで注意して欲しいのは、この9つのカテゴリーはあくまで「例示」であるということです。つまり、9つのカテゴリーのどれにも該当しない創作物(新たカテゴリーの創作物)であっても、「著作物」の定義(2条1項1号)に該当するものであれば、法律上は「著作物」として

          著作権Q&A~著作物~

          判例セレクション~著作物~

          パズルの問題と解答は著作物か ▶平成20年01月31日東京地方裁判所[平成18(ワ)13803] 数学の代数や幾何あるいは物理の問題とその解答に表現される考え方自体は,アイデアであり,これを何らかの個性的な出題形式ないし解説で表現した場合は著作物として保護され得るとしても,数学的ないし物理的問題及び解答に含まれるアイデア自体は著作物として保護されないことは当然である。このことは,パズルにおいても同様であり,数学の代数や幾何あるいは物理のアイデア等を利用した問題と解答であって

          判例セレクション~著作物~

          著作権Q&A~著作物~

          {Q} 刑法に触れるような文書や画像でも著作権によって保護されるのですか? A 保護されます。 刑法175条1項は、「わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。」とありますので、わいせつな文書や画像などを頒布等することは刑法によって禁止されています。ところで

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