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蝦夷鹿男
2018年1月7日 23:59
我がダブサンの横で腰を下ろしてエンジンをじっと見つめた後、北見さんはシートをポンと叩いてあの気さくな笑顔で言った。 「三十五万振り込んでもらえれば後は大丈夫だよ」 大丈夫なんだあ。ほっこり。にっこり。これでようやくダブサンに乗れる。 にっこり。 そして、家に帰った僕は妻にどう言って説得するかという、家に帰らなくても想像に難くない現実に今更ながらぶち当たる。