2兆円超成長市場CCaaS開発(マルチデバイス化 - AORの設定) - クラウドPBX開発編-No.025
今回やること
AORの概念が前回の記事で分かりましたので、今回はAORを利用してマルチデバイスを実現していきます。まずは通常内線のマルチデバイス化です。作業としては単純です。Asteriskにはそれを容易に実現する機構が備わっていますのでそれを利用して設定していきましょう。
全記事共通ご挨拶
こんにちは、川田敏巳と申します。当記事をお読み頂き誠にありがとうございます。これまで10以上のSaaS事業開発にてCXOや先端技術研究室長を務めてきました。
ここでは、人気SaaSのコピー開発をシリーズ化して行い、技術とソースを公開していきます。新SaaS事業を企画されている方々に既存人気SaaSの内部技術を再現し提供致します。
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「2兆円超成長市場CCaaS開発 - クラウドPBX開発編」共通注意喚起!
このシリーズでは、Asteriskというオープソースを使用します。Asteriskの技術情報はネット上にも少なく、更にネット上のAsterisk関連の技術情報の中には避けるべき記事があります。
sip.confというファイルを使用している記事
MacroやDial()のMオプションを使用している記事
録音にMonitor()を用いている記事
いずれも既に非推奨であり使用してはなりません。ハマるきっかけになりやすいのでご注意ください。
前回のおさらい
前回の記事はこちらです。
AORのおさらい
手元のZoiperは全て完全にcloseしてください。この状態でAORを確認すると以下のようになっていますね。
ip-10-0-0-161*CLI> pjsip show aors
Aor: <Aor..............................................> <MaxContact>
Contact: <Aor/ContactUri............................> <Hash....> <Status> <RTT(ms)..>
==========================================================================================
Aor: 101 1
Aor: 102 1
Aor: 103 1
Objects found: 3
では、Zoiperを立ち上げてRegisterしてください。Registerできたら再度同じコマンドでAORを確認してみましょう。
ip-10-0-0-161*CLI> pjsip show aors
Aor: <Aor..............................................> <MaxContact>
Contact: <Aor/ContactUri............................> <Hash....> <Status> <RTT(ms)..>
==========================================================================================
Aor: 101 1
Contact: 101/sip:101@27.1??.2??.1??:50972;rinstance=d 12e8d1321b NonQual nan
Aor: 102 1
Aor: 103 1
Objects found: 3
すると、Aor: 101 に contactが一つ追加されたのがわかるでしょうか?このcontactというのは見ての通りIPアドレスとポート情報(あなたのスマホのZoiperのIPアドレスとポート)を持っていますから、ネットワーク上で通信経路となることができるオブジェクトです。
ということですから、エンドポイントという101 SIPアカウントの本体のようなものと電話として接続するための経路であるcontactを内部に持っているというわけです。
簡単にイメージを図式化すると以下のような感じですね。
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