私の昭和歌謡18 モナリザの微笑 1967
モナリザの歌詞にふくらむ恋の夢ジュリーの声に合わせて歌う
「若大将」も束の間、グループサウンズの時代が来た!
ビートルズが流行っていることは知っていたけれど、小学生には洋楽ではなく、日本語の洋風の曲のほうが、はるかに心に響いたんだ。
「僕のマリー」と「モナリザの微笑」は良く似ている。
🎵ぼくが マリーと 逢ったのは さみしい さみしい 雨の朝
フランス人形 抱いていた ひとりぽっちの かわいい娘🎵
ジュリーの甘い声で聞くと、メロディーばかりが耳に焼き付くから、今こんな歳になって聞いてみれば、おっとロリコン風味ではないか!いけない。
🎵雨がしとしと日曜日 僕は一人で 君の帰りを待っていた
壁に飾ったモナリザも なぜか今夜は すてきな笑顔忘れてる🎵
おや?これは続きなんだろうか?そのくらい良く似ている。
でも「モナリザ」の方はサビが短調から長調になって、「どんなに遠く離れていても」僕はあきらめないっていう強い気持ちが伝わってくる。
でもこの長調の響きはあまりに短くって、すぐに🎵涙ポロポロ日曜日🎵となってしまう。
ところで、「壁に飾ったモナリザ」って?
だって、私はルーブルで本物を見た。大勢が小さな現物を、押し合いへし合い眺めていた。ちょうど紙製オペラグラスを持っていたので、隣のイタリア人観光客に貸してあげたりした。あのモナリザか?
思わずダンナに聞いた。「この歌のモナリザって複製の絵だよね。なんで複製の絵なんかが壁に飾ってあるのかな?」
するとダンナは答えた。「カレンダーじゃね。」wwwwww
「名画カレンダー」か!
すごい!そうだよなー。グループサウンズなんかやってる男は貧乏じゃないと物語にならない。きっとパリの街のアパートに住んでるんだ。でも、「名画カレンダー」があるのかな??まあいい。
さて、二曲のあと、すぎやまこういち&橋本淳コンビが出す曲は短調が多かった。
冒頭の🎵Oh please🎵とエレキギターの掛け合いが絶妙な見事な
「君だけに愛を」
🎵チョッコレート🎵とCMとタイアップしたオブリガートが格調高い
「落葉の物語」
🎵シルビーマイラブ🎵が歌詞にあって映画を思い出してしまう
「銀河のロマンス」
トッポが歌う少年合唱のような澄んだ歌声の
「花の首飾り」
この全てが短調だ。たまにリズミカルな長調の曲もあったけれど、”売れるには短調”をかたくなに守っているような、すぎやまこういちさん。
ある時、何かのインタビューで「ビートルズのようなコーラスグループ的な感じにしたかった」と聞いたことがある。もしかして、同じような曲調のハーモニーにすることで、メンバーの負担を軽減したのか?そんなことはないか。
この時期のGS(グループサウンズ)の曲では、
ゴールデンカップスの「長い髪の少女」、テンプターズの「エメラルドの伝説」、スパイダースの「夕陽がないている」、オックスの「ガールフレンド」、ヴィレッジシンガースの「バラ色の雲」、ブルーコメッツの「ブルーシャトー」、ワイルドワンズの「青空のある限り」・・・
短調の曲が続く。確かに、短調というだけで、悲しい恋の想いとか、別れとか、ファンタジーの世界とかの雰囲気が作れることは確かだ。この頃のコード進行は単純だっから。
平成のポップスの日本語を歌えない私が、これらの曲は、歌詞も覚えていて音程も確かに、今でもスラスラ歌える。
童謡のような歌詞に短調のメロディーがついて、和声は単純で、サビで少しだけ盛り上がる。
たくさんの GSが登場したけれど、ビートルズのようなシンガーソングライターではなく、プロの作詞作曲家がいるアイドルだった。中には孤軍奮闘のグループもいて、そのスタイルが日本のフォークやロックに受け継がれていく。
でも、昭和のこの時代の和製ビートルズを、真似ではなく歌謡アイドルとして流行させた人々(これはその時代の日本人ということ)がいたってことだ。
ビバ!グループサウンズ!日本にしかないロックアイドルに乾杯。
【参考資料】
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