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私の昭和歌謡101 バス・ストップ 1972

一発屋。いいじゃないのよ懐かしくつい口ずさむバスを待つ時

一発屋。でいいじゃん、と思う。
実際、この曲はいい曲だった。当時も今でも。

バス・ストップという題名がアメリカンだった。
平浩二のファルセットの声が気持ちよかった。
メロディーがなんか懐かしかった。
歌詞が女がびっくりするくらい奥ゆかしかった。

そして、後日談で知ったのは、平浩二という歌手のファルセットを生かすために作られた曲だったらしい。

それは、1955年プラターズの大ヒット曲「オンリーユー」だ!
17年を経て甦る「胸キュンの出だし」

(ハ長調でいうと)ソーーミーーと6度の跳躍をする。

🎵バース をーー🎵 の「を」で、この曲が決まる。
この部分をものすごく練習したんだと思う。

23歳の若々しいファルセットが、今でも私の耳に残っているほどだ。
平さんは、もっと出せるのに、押さずに美しい響きを作った。

こんな「をー」が歌える歌手はいない。

いや、一人感動の「バス・ストップ」はある。

1991年の横浜アリーナ。米米CLUBの石井竜也の歌。トランペット(これも心を揺さぶる響きだ)で始まる。石井さん歌ウマ。
最後のアドリブで熱唱する。あっぱれなカバー。

昔の曲のカバーは、私は好きだし、とても大切な役目だと思う。

人間の喉は100年ぐらいじゃそれほど進化しない。楽器とは違う。現代のジャンルに合わせてアレンジするにしても限度がある。じゃあ、歌声はどんな役目があるのか?

古い歌をカバーすることは、時代と時代、人と人をつなぐ。その歌と歌手に敬意を表することだ。

石井竜也さんの歌にはそれが強く感じられた。

1955年のプラターズのオンリーユーが
1972年のバス・ストップにつながり
1991年のカバーの熱唱として人々を感動させた。

ただ、気になるのは歌詞だ。

🎵何を取り上げても 私が悪い 
過ちつぐなう その前に 別れが来たのね🎵 (わぁーーww)

当時16歳の私だって驚いたほど。だって、歌謡曲の別れは、みんな男が悪者だったから。そこで、歌いながら考えた。

この女はかなりの年上だ!と。
魅力的なんだけど、相手は若いつばめ、しかもかなりの美青年だ。それなら、男も女が悪者って感じではない。爽やかなはずだ。

平浩二のヒットはこの曲だけだった。でも、十分だと思う。こんなに個性のある一発があれば、いいじゃないか。

私は口ずさみながら、そう思う。


【参考資料】




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