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プロジェクト推進について考える、共創型オンラインプログラムが生まれた理由

コパイロツトでは2021年より、オープンソースで提供しているプロジェクト推進の独自メソッド「Project Sprint」を踏まえつつ、プロジェクトの始め方、進め方、拡げ方を探究する共創型オンラインプログラム「Project Climbing Challenge(以下、PCC)」を2期にわたって開催してきました。

今回は本プロジェクトの立ち上げに携わったチームメンバーの八木翔太郎さん、賀川奈那実さんの2人に、そもそもの構想が生まれた経緯と、1期・2期の運営についてふりかえってもらいました。


はじまりは、マーケティングの課題から

—— 社内で、共創型オンラインプログラムの構想が生まれたのはいつ頃ですか?

八木:メンバーの何人かと現在のPCCにつながる話をしはじめたのは、2021年頃からです。プロジェクト推進の研究に基づいてそれを分かり易く伝えることを目指す「エクスパンシブ活動」に注力しはじめ、さまざまな議論を交わす中で、toB向けとtoC向けのコミュニティを形成するアイデアが生まれました。

▲PCC2期募集サイト
▲八木翔太郎(Shotaro Yagi)/主に社会学や哲学に基づいたプロジェクトマネジメントの理論研究を行っており、現在その知見を活かしてさまざまな事業やプロジェクトに携わっている。PCC立ち上げメンバーの一人であり、メインファシリテーターを努めた。

—— コパイロツトのマーケティングに関する議論ですね。

八木:コパイロツトでは長らく「口コミや紹介以外の問い合わせが少ない」ことを、マーケティング上の課題であると捉えていました。

確かに初見の方にとって、コパイロツトが提供する「プロジェクト推進支援」は、具体的に思い描くのが難しい仕事であり、発注のハードルも高いと思います。

でも実際にプロジェクトをご一緒したお客さまの多くは、高い確率でまた別のプロジェクトにお声がけくださったり、他の会社を紹介してくださったりするんです。そこで私たちは一度、逆説的に考えてみることにしました。

お客さまにとってご一緒した実務そのものが、新しいプロジェクトの進め方や自律的なチーム作りの知見を学ぶ場になっていて、それがコパイロツトにとって効果的なマーケティングになっているのではないか、と。

この仮説にもとづいて、「ではもっと多くの方に対し、プロジェクト推進について学ぶ機会や場を提供するにはどうしたらいいのか?」という議論を交わすようになりました。

その結果、生まれた一つのアイデアが冒頭でお話したコミュニティの形成です。

※トライブ:共通の興味・関心やライフスタイルを持った集団

コパイロツトは「プロジェクトの推進をサポートすることで、自分の能力を活かして楽しく働く人を増やす」ことをビジョンに掲げて活動しています。このビジョンを実現するためにも、コミュニティ形成は必要なことだと考えていました。

手探りで議論を重ね、共創型オンラインプログラムの実施を模索

—— 2ヶ月間のオンラインプログラムを開講することになった経緯を教えてください。

八木:当時のメンバーの一人だった高山さんがコミュニティマネジメントやワークショップ運営、ファシリテーションなどの知見を持っており、主導してもらいながらさまざまな切り口で問いを立て、プロジェクトチームで議論を重ねていきました。

このプロジェクトを進めた先にどんな未来が生まれるのか、ニーズとして何が求められているのか、私たちに何ができるのか考えた結果、オンラインプログラムにたどり着きました。

—— 賀川さんもこの時点からチームに参画していましたね。

賀川:はい。コミュニティ形成はもちろん、オンライン講座を運営した経験もなかったので、すべてゼロからのスタートでした。立ち上げ当初は、本当にみんな手探りだったと思います。


▲賀川奈那実(Nanami Kagawa)/ソフトウェア会社勤務を経て、2020年12月にアシスタントとして入社。企業のプロジェクト推進支援に携わる傍ら、2023年2月よりオンラインプログラムのプロジェクトリードを努めている。

—— 初期構想はどのようなものでしたか?

賀川:チームで話し合う中で、プロジェクト推進を「山登り」に例えた「Project Climbing Challenge」というコンセプトが決まりました。

このコンセプトに基づいて、当初は各回にゲストをお招きした4週間(約1ヶ月)のカリキュラムを想定していました。ただ内容を具体的に詰めていくプロセスの中で時間が足りないことに気付き、最終的にゲストなしで8週間のプログラムになりました。

▲1期・2期は共通で、プロジェクト推進について「登山」に関連するメタファーを多く使い表現していました。

「問い直し」と「対話」を繰り返す時間に

—— その後、2021年12月から1期、2022年5月から2期と、合計2回のオンラインプログラムを開催しました。手探りの中、何か手応えは得られましたか?

賀川:1期は特にタスクに追われすぎて運営上の課題はいろいろありましたが、参加者のみなさんから「横のつながりができてよかった」など好意的な評価を多数いただきました。

プロジェクトマネジメントの仕事をしている多くの人が抱えているであろう課題の一つに、まずは一歩、アプローチできた感覚はありましたね。

八木:私も同じく、一定の手応えを得ることはできました。特に、プロジェクトマネジメントの現場で実際に働いている、参加者のみなさんからのフィードバックがとてもありがたかったです。私たちにとって貴重なインプットの機会にもなりました。

—— 1期と2期で、大きく変化していることはありますか?

八木:インプットのための講義パートの比率が、2期の時点で大幅に減りました。

情報をインストールするだけではなかなか実践に結びつかないので、講義スタイルではなく、最初に「問い(プロンプト)」を投げかけ、それについて個人ワークをしたり、グループで話す時間を設けたりする立て付けに変更しています。

—— 参加者のみなさん自身が「考える」時間が増えたんですね。2期は持ち帰りの宿題や、カリキュラム外のグループワークも多かったと聞いています。

賀川:そうですね。グループによっては休日を利用し、メンバー同士で日程調整をしてワークを実施してもらっていました。

決して楽ではなかったと思いますが、単純なインプット/アウトプットではなく、自分が意識していなかった「問い」について改めて考えてもらうためです。

八木:私たちにとっても問いを立てるのは非常に難しく、大変な作業です。でもこのオンラインプログラムでは最初から答えのようなものを伝えるのではなく、個人のワークや他者との対話を通して、「問い直し」と「定着」を繰り返すことが大切だと私たちは考えています。

賀川:参加者同士が対話・交流する時間が増えたので、結果的に横のつながりを深める場にもなったように思います。

★PCCに関してや、1期生・2期生のインタビュー記事は下記をチェックしてみてください👇

卒業生を巻き込んで企画した新たなプログラム「DIVE-in JOURNEY1期」が開講

—— 1期と2期を終えてから、チームではどんな課題に取り組んできましたか?

八木:1期、2期と自分たちで作成したカリキュラムを実施してみた結果、参加者のみなさんにもっと主体的に関わってもらえる場作りや、継続的なコミュニケーションを取るしくみの整備など、次の課題もいろいろと見えてきました。

次はPCCとは別の切り口でプロジェクトと自分に向き合う「DIVE-in JOURNEY1期」を開催予定ですが、そちらでも引き続き、インプットのための講義パートに時間を割くのではなく、参加者のみなさん同士に対話や議論をしてもらう時間を増やす予定です。

賀川:これまでは、どうしても問いを立てたりファシリテーターを勤めたりする担当の負担が大きくなってしまったので、次回新プログラムの開催に向けて新しい運営メンバーが2人加わり、卒業生の手も借りながら皆でフォローし合える体制を作ろうとしています。

私たち運営チーム側も、このプロジェクトを心から楽しみながら進めていきたいと思っています。

「DIVE-in JOURNEY1期」開催に向けて

2023年9月、チーム再編やコンセプトの見直しなどさまざまなアップデートを経て、いよいよ「DIVE-in JOURNEY1期」がスタートします。

以下の日程でDIVE-in JOURNEY1期に関する説明&体験会・個別相談会を実施いたします。プログラムに関して少しでもご興味ある方は、ぜひご参加ください!

▼DIVE-in JOURNEY  第1期 プログラム説明&体験会
https://dive2023-0801-0802.peatix.com
2023年8月1日(火)20:00-21:30
2023年8月2日(水)20:00-21:30

▼DIVE-in JOURNEY  第1期 プログラム個別相談会
https://dive2023-0808-0809.peatix.com
2023年8月8日(火)20:00-21:00
2023年8月9日(水)20:00-21:00

▼DIVE-in JOURNEY1期サイト
8月4日(金)から申し込みの受付開始予定です!